まさか、まさかの挑戦はあるのか。〝ミスター女子プロレス〟ことLLPW―Xの神取忍(58)に、四半世紀ぶりとなる「赤いベルト」取りの可能性が浮上した。「スターダム」初参戦となった19日の大田区大会では試合後、ワールド王者の中野たむから「次はシングルだ」とベルトを見せつけられた。バックステージでは消極的な発言をしていたが、取材で明かした本音は――。

 大田区大会で神取は井上貴子、葉月とトリオを結成し、中野&なつぽい&安納サオリの「コズミック・エンジェルズ」と対戦。ワールド王者の中野に、ゴッデス王者のなつぽい&安納という現在の女子プロ界トップ勢との遭遇で終始、格の違いを見せつけた。

 試合は自軍の葉月が敗れたものの、インパクトを残した神取は「ブーイングが来るかと思ったら、むしろ歓声がすごくて。昔は『帰れ!』とか『腕折っちまえ!』みたいな声が多かったけど、スターダムのお客さん、あったかいね」と涼しい表情。「戦って骨はあると感じた。ビンタ合戦? あんなの天龍(源一郎)さんに比べたら全然お話にならないから、あれはビンタのうちに入らない」と豪快に言い放った。

 気になるのは今後だ。試合後は中野からシングルを要求されたが、神取は「気持ち的にそこまで上がってない」と消極的だった。果たして、本当に可能性はないのか?

 改めて真意を直撃すると、「リングで戦った姿勢は認める。でも、1回戦ったくらいでベルトを見せられても別に…。『お前、私を誰だと思ってんの?』って話だよ」と鼻で笑いつつも、〝条件付き〟で受諾する可能性を示した。

ベルトを誇示する中野たむ(右)を小バカにする神取
ベルトを誇示する中野たむ(右)を小バカにする神取

「彼女に対しての期待がゼロっていうわけではない。これから『神取忍と戦ってほしい』っていうファンの声が上がるまでベルトを輝かせて、業界を動かせたら、やってやらなくもないな」

 確かに中野は今年4月にワールド王座を初戴冠したばかりで、これまで白川未奈、メーガン・ベーンとの防衛戦しかこなしていない。まずはこのまま防衛を続け、名実ともに業界トップに君臨した暁に中野への挑戦を考えるという。

 ただし、神取のワールド王座挑戦が実現すれば大事件だ。1998年3月21日後楽園大会では堀田祐美子を破り、当時の全日本女子プロレスで「赤いベルト」と呼ばれたWWWA世界シングル王座を奪取。1年間、赤の王者として君臨した。

「当時はうれしかったと思うけど、全然記憶にないんだよね。道がないところに道をつくるっていうのはうちのモットーだから、正直ベルトに魅力を感じたことがない」と振り返る。

 くしくもスターダム最高峰のワールド王座も2011年の創設当初から「赤いベルト」と呼ばれており、神取にとっては約25年ぶりの赤いベルトをかけた戦いになる。

 スターダム勢に「オーラだね。入場は派手だけど、昔の選手は普通に立っているだけでただ者でないオーラとか気迫を放っていた。それが、今の若い子たちにもあったらいいよね」と〝宿題〟を課した。再び昭和と令和の女子プロレスが交錯する日は訪れるのか。