日本が世界に誇る“逸女”イヨ・スカイ(紫雷イオ)がWWE真夏の祭典「サマースラム」(5日=日本時間6日)でついにWWE女子王者に輝いた。しかも7月ロンドン「Ms.マネー・イン・ザ・バンク」戦も制しており、キャッシュインからベルトを奪取。歴史に残る快挙を達成した。

 翌日には元WWEの“海賊王女”カイリ・セインことKAIRIも7日に無期限休業宣言を発表。WWE復帰もささやかれるなど、WWEを舞台に世界で活躍する女子選手たちの動向が注目されている。

 日本最大の女子プロレス団体だった全日本女子プロレスも、80年代後半から90年代前半まで米国進出に力を入れていた。88年にはJBエンジェルズ(山崎五紀、立野記代)組が日本人として初めてWWF(現WWE)女子世界タッグ王座を獲得。5年後の93年にはブル中野がWWF世界女子王座を獲得した。

 女子プロ史上最大のカリスマ・長与千種も86年にライオネス飛鳥とのクラッシュ・ギャルズ、ブル、ダンプ松本らとWWFに参戦。総本山MS・Gにも登場した。長与は88年にも単身渡米し、10月にはテキサスでWCCW世界女子王座を、カナダ・カルガリーではIWA世界女子王座を獲得した。その後の長与の活躍はいずれも世界を標ぼうするものだったが、種子はこの時に芽生えたのかもしれない。現在でも「自慢じゃないけど私、米国でもレジェンドだからね。今でもどの団体に行っても歓迎してくれるよ」と笑って語る。

 89年に引退後、95年にガイアを旗揚げした後も世界志向は続いた。その象徴だったのが、96年に新設したAAAWヘビー級王座(98年にAAAWシングル王座に改称)だった。初代王座決定戦はベルト発祥の地・シンガポールで行われ、長与はデビル雅美を撃破して初代王者になった。

 場所が場所だったため、本紙はこの模様を報じられなかったが、一度デビルに王座を明け渡した後の98年8月23日後楽園で、長与はデビルを撃破して王座奪還。やっと日本で新しいベルトを巻く姿を歓喜するファンに披露した。

デビルにダイビングエルボーを決める長与
デビルにダイビングエルボーを決める長与

『AAAWシングル選手権は14分17秒、長与千種が胴絞めスリーパーでデビル雅美を撃破。約11か月ぶりに王座を奪還して第3代王者となった。試合はデビルが前後からのラリアート、執ようなスリーパーでペースを握ったが、最後は長与が一瞬のスキをついて馬乗りから胴絞めスリーパーで逆転勝ちを決めた。試合後はセミでAAAWタッグ王座を奪取したアジャ・コングと尾崎魔弓が乱入してベルトへの挑戦を迫った』(抜粋)

ファンにベルト姿を披露する長与
ファンにベルト姿を披露する長与

 その後、ベルトはアジャ、元WWE NXT・UK女子王者の里村明衣子らに引き継がれ、2005年4月の団体解散とともに封印された。そして21年には王座が復活。長与のマーベラスと里村のセンダイガールズが王座全権をかけた対抗戦の末、マーベラスが勝利。23年5月には新エースの桃野美桜が初戴冠を果たした。

 歴史は繰り返すのか、ガイア時代の怨敵・OZアカデミーの尾崎が5月にマーベラスを急襲。両団体は絶縁状態にあったが、尾崎が5月に長与に禁断の扉を破ってケンカを吹っかけ、8月7日後楽園で桃野から王座を強奪してしまった。尾崎は「長与とやって引退に追い込む」と豪語した。同王座を「自分の魂であり命」と公言する長与との抗争を宣言した。今後の展開が注目される。

 また長与のライバルだったミスター女子プロレス・神取忍もスターダム初参戦が決定。海外の大舞台で活躍する選手同様、かつて海外を経験したレジェンド勢の新たな戦いからも目が離せない。