激震が走っている競泳ニッポンの〝内紛問題〟の核心をレジェンドが激白だ。世界水泳(福岡)の惨敗を受けて、日本代表選手たちが日本水泳連盟(日水連)に対して抗議の声を上げて波紋を呼ぶ中、競泳男子五輪3大会メダリストの松田丈志氏(39)を直撃。代表チームの現体制における問題点をズバリ直言した。再建のカギはコーチ陣の世代交代だ。

 今回の騒動は、五輪2大会代表の五十嵐千尋(28=T&G)が8日に自身のSNSで日水連を批判したことが発端。今大会で主将を務めた入江陵介(33=イトマン東進)も「キャプテンとして選手を守りきれなかった自分が情けない」と意味深なメッセージを載せるなど日水連と選手との間にある溝が顕在化した。

 こうした不信感はどこから生まれたのか。本紙は11日に、都内のイベントに出席した松田氏を直撃した。

「次の世代のコーチを育てなきゃいけないタイミングが来ている」とまずは日本競泳界が抱える現在の問題点を指摘。代表では長年、上野広治氏(64=日大スポーツ科学部教授)と、平井伯昌氏(60=パリ五輪プロジェクトリーダー)というカリスマ指導者がチームをけん引してきた。「昔は上野先生が強力なリーダーシップを発揮して、選手がやりやすい状況を作ってくれていた。上野さんと平井さんの体制は長く、20年くらい続いたと思うけど、その2人はもう60歳を超えている。それで、世代交代していかなきゃいけない一面もある」と強調した。

 競泳界は指導側の世代交代を迫られる状況となったが「本当は2020年に東京五輪、21年に福岡で世界水泳をやった後に、次の(指導)体制に備えるように計画していたと思うけど、新型コロナの影響で延期になり、組織を転換するのがすごく難しくなったと思う」と松田氏。過渡期を迎えながら、新型コロナ禍による激動で理想的な形での体制移行がかなわなかった。

 難産の末に発足した現体制だが、大きな問題がある。「日本チームは今年の夏から梅原孝之委員長(53)と横山貴ヘッドコーチ(43)をトップに据えて、新たなチャレンジが始まった。だけど、選手に言うべきことが言えてなかったり、伝わってなかったり。うまくいかなかった部分があると思う」とズバリ指摘。まだスタートしたばかりで仕方ない部分があるとはいえ、新体制にはコミュニケーション面などで改善が求められるのだ。

 とはいえ、松田氏があえて厳しい言葉を投げかけるのは期待の裏返しでもある。「チーム力が日本の競泳界の強み。連盟側と選手側が一枚岩になって、日本の競泳を強くしていく共通の思いのもとに、活動していける状態になってくれれば」と熱いエールも送った。

 レジェンドの金言が内紛問題の解決へとつながるか。

 ☆…松田氏は11日、都内で行われた「スポGOMI ワールドカップ2023東京STAGE」に参加した。このイベントは、日本財団「海と日本プロジェクト CHANGE FOR THE BLUE」の一環で実施されており、松田氏はアンバサダーを務めている。決められたエリアで制限時間内に拾ったごみの量や、種類に応じて与えられるポイントをチーム同士で競い合うスポーツだ。松田氏は元競泳女子日本代表の寺村美穂さん、パラリンピック競泳で合計15個の金メダルを獲得した成田真由美さんとチームを組み出場した。