14日に開幕した水泳の世界選手権(マリンメッセ福岡ほか)は、30日で全日程が終了。アーティスティックスイミング(AS)は金4個を含む過去最多となる7個のメダルを手にした。その一方で競泳のメダルは銅2個のみ。21世紀では過去最少となった。パリ五輪まで1年となった中、1992年バルセロナ五輪女子200メートル平泳ぎ金メダルの岩崎恭子氏(45)が取材に応じ、独自の視点でトビウオジャパンの現状を分析した。
自国開催の大一番にもかかわらず、メダルは400メートル個人メドレーの瀬戸大也(29=CHARIS&Co.)と200メートルバタフライの本多灯(21=イトマン東京)の銅2個。女子は200メートルバタフライの三井愛梨(19=横浜サクラ)が5位、400メートル個人メドレーの成田実生(16=金町SC)が8位と初出場コンビが躍動するも、2大会連続のメダルなしに終わった。
今大会を通じて世界とのレベルを再認識。前回大会の4個(銀2、銅2)をも下回る結果となった。岩崎氏は「日本勢の持ちタイムを考えたら妥当だったのかな。世界ランキングを踏まえても実力が足りなかったのでは」と冷静に現状を踏まえる一方で「危機感は日本の競泳界も感じていると思う。当然差は縮めていかなければいけない」と語気を強めた。
では、何が足りなかったのか。岩崎氏は〝経験の差〟との見解だ。新型コロナウイルス対策の規制緩和により、今大会は有観客で開催。以前と同様の光景が戻ってきたが「日本はこの3年間コロナで観客がいなかった。だけど、海外は観客を入れてやっていたので、そういう慣れの差もあると思う」。緊張感にのみ込まれた選手も複数見受けられたという。
岩崎氏が考えるトップ選手の条件は「どんな状態でも力を出せること」。平泳ぎで五輪2大会連続2冠の北島康介氏など多くの選手が世界で活躍した時代は、個々の選手が、その能力にたけていた。岩崎氏は「別に若い選手ばかりでも、ベテラン選手ばかりでもなくて、ちょうどいいバランスだったが、その一人ひとりの選手たちが試合に挑む姿勢も違ったし、持っていた実力を出せるような準備ができていたので、そこが結果につながっていたのでは」と指摘した。
ただ、今大会は自国開催ということもあり、40人が代表入り。多くの選手がトップレベルに触れたのは大きなプラスだ。岩崎氏は「五輪や世界選手権の雰囲気は他の大会と全然違う。観客からの注目度もすごいので、それを体感できたのは、すごくいいこと。今までメダルを取ってきた選手でも、世界選手権のような大きな大会を経て、結果を出したり、さらに五輪を経たことで結果を残すケースはよくあるので、どんどん経験を積んでいってほしい」と期待を寄せた。
泣いても笑ってもパリ五輪は来年に迫っている。岩崎氏は「1年が長いと思うか、短いかと思うかは本人次第。今大会の経験を次に生かしてほしい」。トビウオジャパンはパリの地で息を吹き返すことができるか。












