競泳女子の池江璃花子(23=横浜ゴム)が、多くのファンからエールを送られている。

 2019年2月に白血病を発症した池江は「生きていることがしんどかった」時期もあったというが、驚異的なスピードで回復。21年東京五輪出場を果たした。現在もスタート面に課題を残すなど、変化した体と向き合う日々を過ごしながらも、7月14日に開幕した世界選手権(マリンメッセ福岡他)の切符も奪取。多くの人たちに夢や希望を与えてきた。

 4月から所属契約を結ぶ横浜ゴムは「池江選手とファンがつながる機会を設けたい」との思いから、今大会に合わせて会場内の一角にブースを設置。競泳競技が始まった23日から29日までの1週間で4000枚以上のメッセージが届いた。同社の担当者は「メッセージは、全部ファイルにまとめて池江選手にお渡しします。数的にはファイル1冊に500枚ほど入るのですが、すでに7~8冊に達していて、池江選手にも数冊は、お渡し済みで実際に拝見していました」と明かした。

世界水泳の会場内に設置された特設ブース
世界水泳の会場内に設置された特設ブース

 当初はメッセージ用の紙を1000枚用意。しかし、2日ほどでなくなり慌てて現地で調達した。想像を上回る反響ぶりに同担当者は「多い時はブースに長蛇の列ができていました。全国各地の子供たちはもちろん、英語やフランス語、ヒンディー語のものもあります」と驚いた様子。29日も日本人だけでなく、セネガル人などの外国人がブースを訪れていた。

 周囲からの温かいサポートを肌で実感した池江は、29日に本命の50メートルバタフライ決勝に出場し、25秒78で7位入賞。6年ぶりの大舞台で復活の兆しを見せたものの「これが国際大会で戦うことの難しさ。スタートから出遅れて、周りを見ないで泳ごうと思っていたけど、周りを見ながら泳いでしまったりした」と悔しさをにじませた。

 4月から社会人という立場になり、より一層自分自身に重圧をかけてきたからこその言葉。それでも、周囲の支えのおかげで決勝の舞台に帰ってきた。「『池江さんの姿が見られてよかった』『泳いでいるだけで感動した』と言ってくれる。それだけで心の支えになります」。感謝の思いを胸に、さらなる高みを目指す。