目には涙が光っていた。水泳の世界選手権16日目(29日、マリンメッセ福岡)、競泳女子50メートルバタフライ決勝が行われ、池江璃花子(23=横浜ゴム)が25秒78をマーク。6年ぶりの大舞台で7位入賞を果たした。

 会場中に響き渡る声援に対し、両手を上げて応えた池江。「世界の舞台に戻ってきたことをかみしめたい」。ホームの力を受けてスタート台に立った。母・美由紀さん、スポンサー関係者、友人などが見守る中、序盤からリードを許す展開も、猛者たちを相手に最後まで食らいついた。レース後には「いつまで苦しむんだろうと思うけど、この舞台で泳げたことは自分にとってよかった。誰よりも応援されてこの舞台に立てた。みんなに感謝の思いを伝えたい」と声をつまらせた。

 4月から社会人という立場になり、より一層自分自身に重圧をかけてきた。それでも、周囲の支えのおかげで決勝の舞台に帰ってきた。「自分は競技者だから、結果を出せないと自分を責める。何が間違いだったんだろうって。でも、意外と応援してくれる人は責めない。決勝に行っただけですごく喜んでくれる。後ろではほとんどの人が結果が全てじゃないと言ってくれる」。もがき続ける池江の心には、温かい言葉が何よりの栄養となった。

 完全復活が決して簡単な道のりでないことは、池江自身が一番理解している。「国際大会で結果を出すのは難しいのは分かりきってるが、ここで戦って勝つことで本当に自分が戻ってきたと言える」。1年後のパリ五輪へ、今大会の経験を未来につなげていく。