痛恨の敗戦だ。エンゼルスは3日(日本時間4日)の本拠地マリナーズ戦で3―5と逆転負けを喫した。注目の大谷翔平投手(29)は「2番・投手兼DH」で先発出場し、1点をリードした8回の第4打席で6試合ぶりとなる両リーグ独走の40号ソロを放つなど2打数2安打1打点2四球と活躍。しかしチームは9回に守護神のエステベスが痛恨の逆転グランドスラムを被弾し、そのまま逃げ切られて悪夢の黒星となった。
先発マウンドに立った大谷は立ち上がりから毎回走者を背負うも得点を許さなかったが、4回を59球、3安打無失点で投げ終えると緊急降板。降板理由として球団からは「右手の指のけいれん」と発表された。
それでも大谷は打者として出場を続け、1点を先制された直後の6回一死の第3打席では申告敬遠で出塁すると続く3番クローンの打席で今季14個目の盗塁をきっちりと決めてチャンスメイク。ここでクローンが放った中前適時打で二塁から激走し、同点のホームインを踏んだ。さらに5番レンヒーフォにも勝ち越しの適時二塁打で連続タイムリーが飛び出し、このイニングでチームは2点を奪って一気に逆転に成功。「右手の指のけいれん」を全く感じさせない大谷の闘志あふれる全力疾走が流れを再び手繰り寄せた。
そして圧巻だったのは8回一死の第4打席だ。相手の4番手・キャンベルがカウント2―2から投じた6球目、96・2マイル(約154・8キロ)の内角フォーシームを右翼席へ叩き込んだ。打球速度106・7マイル(約171・7キロ)、飛距離390フィート(約118・8メートル)の打球は弾丸ライナーのようにスタンドインし、2021年シーズン以来2年ぶり2度目となる両リーグ最速の40号本塁打となった。
これでスコアは3―1。勝利は確定的と思われたが、9回にまさかの奈落が待ち受けていた。ストッパーのエステベスが2つの四球と単打で無死満塁とし、一死を奪ったものの続く8番・マーロに甘く高めに浮いたフォーシームを右翼スタンドへ叩き込まれ、逆転満塁弾で試合を引っくり返された。9回裏に再反撃する力は残っておらず、チームは相手守護神ムニョスの前に3者連続三振を喫してあっさりとゲームセット。本拠地に集まったエンゼルスファン、そして一塁側ベンチの面々も呆然自失だった。
試合後の大谷は「右手の指のけいれん」で途中降板となったことについて「指は最近よくつっているので…。今日ももう1イニング、2イニング、様子見ながら行こうと思えば、もしかしたら行けたかもわからないですけど、ウチにとって大事な試合ですし、0―0で1点を争うようなゲームだったので、投げる選択のほうが迷惑がかかるんじゃないかなと思った。(つった箇所は)中指ですね」とコメント。「今日の敗戦は痛恨だが、どれぐらいのダメージか」との問いには「もちろん100球近く投げてなるべくブルペンの負担を減らしたい試合ではありましたし、結果的に最後逆転されて負けているんで、もう終わったことは切り替えてやるしかないですし、明日に向けてまた切り替えたいなと思います」と前向きに語った。
ア・リーグ西地区4位のチームはこの日の敗戦で同地区3位のマリナーズと1・5ゲーム差、さらに同地区首位のレンジャーズには7・5ゲーム差にまで広げられている。ワイルドカード(WC)争いでも7位に沈むチームは圏内3位のブルージェイズと4ゲーム差のまま、直接対決で敗れたWC6位のマリナーズには1・5ゲーム差と引き離された。それでも大谷は逆転のポストシーズン進出について「まだまだ十分狙えるポジションですし、一試合一試合が大事な試合だと思う。終わったことは切り替えて、また明日頑張りたい」と繰り返しながら述べた。
一方で同日夜に放送された米スポーツ専門局「ESPN」の番組「Sports Center」ではマリナーズに悪夢の逆転負けを喫したエンゼルスに関する話題が取り上げられ、アンカーからは「こんな試合を続けていたらオオタニはパンクしてしまうかもしれない」と不安視する言葉も飛び出していた。










