選手任せか、完全なベンチ主導か…。巨人は2日のヤクルト戦(東京ドーム)で、5本塁打の猛攻を浴びせて9―2で圧勝した。ただ、原辰徳監督(65)が高く評価した〝陰のヒーロー〟は、初回の先頭打者として10球の粘りをみせた吉川尚輝内野手(28)だった。今季はナインの能力を尊重&信頼してきたが、残り50試合となり、指揮官のかじ取りが見ものとなってきた。

 G打線が序盤から大爆発した。初回に2点を先制されたが、直後の攻撃で2番・坂本の11号ソロで反撃ののろしを上げると、岡本和の23号2ランであっさり逆転。坂本と岡本和はそれぞれ2発を放つなど、お家芸の一発攻勢で沈めた。

 原監督も「看板選手がやってくれたというのは大きいですね」と表情を緩めたが、すべての呼び水となったのは1番打者・吉川の粘りだった。結果的に空振り三振に倒れたものの、次打者の坂本が待機する中で相手先発・高橋に計10球を投じさせた。この点を指揮官に聞くと、せきを切ったように語り出した。

「結果は三振でも、ああいうものがすごく大事なことで。(打席では)個人の記録とはいえチーム単位で動くと。1球、2球はチームに見てくれと。2球ぐらいはストライクだろうが(相手に)あげるよというぐらいのものがないと、打線はつながらないよね。それが今日の尚輝の1打席目だと思うんですよ」

 対照的に前日は早打ちを仕掛け、山野にあっさりとプロ初勝利を献上した。それだけに原監督は「昨日の反省からいくと(秋広と丸が)2回に2球で2アウトを取られた。あれがやっぱり僕は反省だと思う。初球をカーン、カーンと打ったというのはね。今後あってはいけないこと。選手を責めるのではなく私自身、われわれが事前にそれを指示できなかったことを反省している」と猛省を口にした。

 残り50試合。今季の原巨人ではベンチ主導よりも〝選手任せ〟の試合が続いてきた。大久保打撃チーフコーチが「おのおの対策は立てていたけど、チームとして束になってかかることができたのは今季初めて」と打ち明けたのが7月26日の阪神戦(甲子園)。5回に組んだ円陣でベンチからの指示を徹底させ、6回に一挙5得点を挙げて苦手な大竹をKOした。それまで選手に〝一任〟してきたのは「選手たちの能力が高い」と判断していたからだという。

 しかし、ナインに任せきりでは前夜のように、首脳陣の思惑とは別の動きをする選手も現れるのが現状。3年ぶりのV奪回が至上命令とされる中、リーグ4位に低迷したままの原巨人は6ゲーム差の首位・阪神をどう捉えていくのか――。