巨人は30日の中日戦(東京ドーム)でホープたちが勝負強さを発揮し、4―0で快勝した。今季3度目の4連勝を引き寄せたのは、決勝の2点適時打を放ったプロ3年目・秋広優人内野手(20)だ。今季は多くの若手たちが起用に応える活躍をみせている一方で、球団内ではそのヤングGたちに関する別の危機感も広まっている。

 まさに値千金だった。両軍無得点で迎えた8回。相手の暴投でチャンスが一死二、三塁まで広がった直後、秋広が外角のフォークボールをうまく右前へ運び、場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。ついに均衡を破ると、なおも二死一、二塁でドラフト4位・門脇が左中間へ2点適時二塁打を放ち、勝負を決めた。

 実質1年目で中軸を任され、結果も残し続ける秋広は「得点圏でなかなか自分の打撃ができていなかったので、強い意志を持って打席に臨みました。打てて良かったです」と笑顔。原辰徳監督(65)も「本当に1日1日を大事に糧として、栄養にしてくれている」とご満悦だった。

 今季は秋広や門脇のほかにも多くの若手が奮闘している。ただ、V奪回だけでなく中長期的な視点も持つ編成側は危機感も抱いている。というのも、戦力供給源となる育成選手の中で野手の台頭が見られなかったからだという。

 31日には支配下への昇格やトレードなどの補強期限が終了する。今季ここまでを振り返ると、投手陣では再昇格も含めて9人が支配下登録された。さらに、交換トレードで広岡と石川を放出して鈴木康と小沼、外国人ではバルドナードの中継ぎ3人を外部から補強。しかし、野手で支配下となったのは2020年オフにFAで加入し、長期リハビリで育成落ちしていた梶谷隆幸外野手(34)だけだった。結果、今季巨人の支配下選手は、投手が実に「12人増」したのに対し、野手は「1人減」ということになる。

 極端なバランスの編成となった背景にはチーム事情が大きく影響しており、球団スタッフは「前半戦は特にリリーフ陣が安定せず、投手陣を強化することが最優先だった」と明かした。しかし、根本的な要因に挙げたのは野手の伸び悩みだった。

「一軍の野手はどのポジションもある程度充実してきている。育成の野手は素質がある選手はいるけれど、思うように伸びてこず、一軍で活躍できるようなレベルにはならなかった。支配下になれるかどうかは、一軍で活躍できるかどうか次第なので」(同)

 トレードで広岡と石川が抜けても、その2人や一軍クラスを脅かすレベルまで誰も成長できなかったことは三軍を擁する組織全体の懸案だという。年単位で安定的なチーム運営をしていく上で、来季以降に大きな課題が残されている。