軌道に乗り始めた――。ソフトバンクのカーター・スチュワート投手(23)が26日のオリックス戦(京セラ)で6回1失点(自責0)の好投。来日5年目にして、待望のNPB初勝利を飾った。最速160キロを誇る「全米ドラ1」の逸材が、鷹の革新的プロジェクトの成就を予感させる急成長ぶりを披露している。

 今季は5試合に先発して、防御率は安定感を示す1・57。大型連敗を止めたチームが首位相手に連勝を期す大事なゲームで、102球を投げて救援陣に後を託したが、余力はたっぷりだった。この日も継続調査するメジャー5球団が視察。WBC日本代表の宮城大弥との投げ合いに堂々と勝利し、スカウト陣のリポートの取れ高が十分だったことは間違いない。

 アメリカでも大きな話題を呼んだ「トッププロスペクト」のNPB入り。将来的なメジャー挑戦を視野に入れた6年契約の5年目で、才能を開花させつつある。現役時代に沢村賞を2度獲得した斉藤和巳投手コーチも「長いイニングを投げられる力があることは分かっている。でも、無理をさせず大事に育てていきたい。日本だけにとどまる才能じゃないことは今の時点で分かっているし、その手応えをわれわれ指導者も感じている」と目を細める。豊かな才能に胸をときめかせる現場首脳陣の反応を見れば、やはり末恐ろしい逸材だ。