これが負のレガシーの影響なのか。2025年大阪・関西万博にトラブルが発生している。海外パビリオンの建設の手続きが滞っており、延期の懸念が出ているのだ。関西の政界関係者からは「電通の不在が大きい」と嘆く声も出ている。東京五輪・パラリンピックを巡る不祥事で電通がいない今、調整役がいないという。
パビリオンとは仮設の建築物のことで、万博の華とされている。ところが海外パビリオンの建設に問題が発生しているのだ。自前でパビリオンを建設する予定なのは約50か国・地域なのだが、大阪市へ建築の許可申請が1件も出ていない。というのも国内ゼネコンとの工事契約締結が滞っているからだという。
万博を運営する日本国際博覧会協会は建設工事の発注を代行する案などを参加国に示したというが、返答のない国もある。関西経済連合会の松本正義会長は18日の会見で「(開幕まで)1年数か月しかないなかでおかしい状況だ」と嘆いた。
どうしてこんなことになっているのか。関西の政界関係者は「調整役がいないんですよ。東京五輪の余波で電通不在。本来なら電通が各国や業者との調整をしていたはずです。電通不在が影響していると指摘する人は多いです」と明かした。
東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件を受けて、逮捕者の出た電通は大阪府と大阪市、万博協会から発注事業への入札参加資格を停止された。ちなみに、同じ理由で博報堂も同様の措置となっている。都政関係者は「五輪のような国際的イベントを仕切れるところは国内にそうない。電通か博報堂くらいなものです」と指摘していた。その電通がいないのだ。
「聞くところによると、日本の労働基準法について、各国の認識にギャップがあり、日本側とすり合わせができていなかったというのです。参加国からすると準備期間がもう少し短くて済むと思っていたそうです。そこの調整をできたのが電通だったんでしょうが」(前出の政界関係者)
先週、カナダの政府代表が大阪市を訪れ、副市長と意見交換していた。その際に出たのが労働基準法の話題だった。同法は来年度から建設業の残業時間について上限規制が設けられることになっている。「2024年問題」と呼ばれているものだ。読売新聞によると、カナダの政府代表は「万博の建設では(残業を)例外的に認めるなど、柔軟に対応してほしい」と求めたという。
この労働基準法の問題に加えて、資材高騰に人手不足と悪材料が重なっているからなお悪い。「電通がいればと思いたくもなります」(同)。談合事件という東京五輪の負のレガシーの影響が大きいようだ。












