滋賀県の彦根、長浜、高島の3市で今月22日に実施が告知されていた「琵琶湖三市同時花火大会」が9日、突然中止となった。主催者が公式サイトで発表した。一方、3市には今月に入り「直前になっても詳細な案内がない」といった問い合わせが相次ぎ、6日には各市が大会への関与を否定。チケット購入者や出店者への具体的な返金時期や方法も示されておらず、謎の多い中止劇となっている。
主催者の琵琶湖三市同時花火大会実行委員会は9日、「開催日までに大会を実施するために必要な準備・運営体制を整えることが困難」として中止を発表。「延期・振替開催は行わず、今後の開催予定もございません」とした。
購入者や出店者への対応については「法的専門家への相談を行いながら、対応内容の確認・整理を進めております」としているが、具体的な返金時期や方法は明らかにしていない。
大会は全席指定で快適に花火を鑑賞できることを売りに、6000~1万8000円の有料観覧席を販売。1万発以上の花火を打ち上げ、夜市を設けるほか、シャトルバスや専用駐車場も用意するとしていた。
ところが、具体的な会場は「開催約1週間前にメールで案内する」としていた。公式サイトに掲載された琵琶湖の地図が実際とは異なる不自然な形をしていたほか、SNSなどの文章にも不自然な日本語表現があると指摘されていた。
主催者を名乗る人物は昨年12月ごろ、各市役所を訪れ「3市で同時に花火大会をやりたい」と相談。しかし、その後、開催に向けた申請はなかったという。
会場をめぐっても不可解な状況が判明した。主催者側は出店予定者向けのオンライン説明会で具体的な開催予定地を示していたが、実際には会場使用が正式に決まっていなかった。
「そもそも詐欺だったのではないか」と疑う声も上がっている。ただ、現時点で主催者側による詐欺行為が確認されたわけではない。むしろ、当初から代金を集めて姿を消すことを目的とした典型的なイベント詐欺だったと仮定すると、これまでの主催者側の行動には説明がつきにくい部分もある。
実行委は11日、読売テレビの取材にメールで「会場使用が正式に確定していない段階で準備を進めていたことについては、主催者として進行管理および説明が十分ではなかったと認識しております」と回答。昨年12月には市役所へ相談に出向き、中止後も公式サイトを残してメディアの取材に回答している。こうした経緯を踏まえると、少なくとも現時点の公開情報だけで、当初から金銭をだまし取る目的だったと断定することはできない。
イベント事情通は「大規模な花火大会を企画したものの、実務能力や資金、行政との調整などが追いつかず、計画そのものが破綻した可能性も考えられます。運営上の問題があったとしても、それだけで刑事上の詐欺になるわけではありません」と指摘する。
そのうえで「今後、購入者や出店者への返金がどのように行われるのかが重要です。また、主催者がいつの時点で開催困難と認識したのか、その後もチケットなどの販売を続けていたのかも、今後の事実関係を見極めるポイントになるでしょう」と話している。












