クリスタ・パイク死刑囚(50)の死刑執行が失敗に終わった問題で、執行を監督した米テネシー州矯正局のトップが辞任することになった。米紙ニューヨーク・ポストが3日、報じた。

 テネシー州矯正局のフランク・ストラーダ局長は3日、ビル・リー州知事に辞表を提出した。パイク死刑囚が致死量の薬物を2回投与されながら生存した死刑執行から3日後のことだった。ストラーダ氏は今月中に退任する。

 リー知事は、死刑執行で何が問題だったのかについて、全面的かつ独立した調査を行うよう命じるとともに、州が今年予定していた残る死刑執行を停止した。

 ストラーダ氏は「矯正局は定められた手順に従って責務を果たしたと今も信じている」と主張。その一方で「それでも、独立調査が進められる中、私が身を引くことがテネシー州民にとって最善だ」と説明した。

 パイク死刑囚の弁護士らは3日、ニューヨーク・ポストに対し、ストラーダ氏の辞任について「当然だが、今となってはクリスタを救うことには何の役にも立たない」と語った。さらに「9月30日に彼女の身に起きたことは、一人の人間の問題をはるかに超えた、制度全体の機能不全を示している」と指摘した。

 パイク死刑囚は9月30日夜、死刑執行用のペントバルビタールを2回投与されたにもかかわらず生存し、救命治療のため病院へ緊急搬送された。弁護士によると、現在も生存しているものの意識はなく、挿管された状態で人工呼吸器につながれている。

 パイク死刑囚は18歳の時、同級生のコリーン・スレンマーさんを殺害した罪で死刑判決を受けた。今回、死刑が執行されれば、テネシー州では200年以上ぶりに死刑に処される女性となる予定だった。