ソフトバンクの柳田悠岐外野手(34)が夢の球宴で大暴れした。全パの「4番・右翼」で出場し、昨年の第2戦(松山)からの〝2戦連発〟を含む2安打2打点で〝2戦連続MVP〟に輝いた。
4―0の3回一死走者なし。「いいスイングだけしよう」と臨んだ第2打席で、全セ2番手・小笠原(中日)の初球、144キロ直球を右翼席中段に突き刺した。打った瞬間に本塁打を確信する当たりに、ファンからは感嘆の声が漏れたほど。柳田は初回の第1打席でも中前適時打を放ち、貫禄の2打点。「ケガなく、無事故完走」を強調していたが、お祭り男の本領を発揮した。
豪快な打撃で球界を代表するスラッガーとしての地位を確立している。今季はリーグ2位の打率3割5厘、同3位の14本塁打、同3位の48打点と打撃3部門で好成績を残している。中でもトータルの数字として突出しているのは、歴代6位に位置する3割1分4厘を誇る通算打率だ。
若手時代から打撃を見守ってきたソフトバンクの王貞治球団会長は「柳田は対応力がすごいんだよ」と解説する。「オレが今まで見た打者の中でも、あれだけいろいろな球に対応して振れる打者はあまり見たことがない。特にあれだけ強く振れるというのはね」と続けた。
巧打者のようにさまざまなボールに対応しつつ、力強いスイングをすることができる。「見えてなきゃできない。だから柳田はボールが見えてるんだよ。逆にいろいろな球に対応できちゃうから、何でも打ってしまうというところもあるけどね。オレなんかの場合は2ストライクまでは打ちやすい球しか打たなかったんだけど。彼はやっぱりちょっと長嶋さん風だよね」とも口にした。
盟友でもある「ミスター」こと長嶋茂雄巨人終身名誉監督(87)にたとえての賛辞。そのココロは――。「体勢を崩されても打てるってことだよね。ボールが見えているから崩されても打てる。ほとんどの選手は体勢を崩されてると打ちにくいんだよ。俺も崩されて打つのが得意じゃなかったから、その分、人一倍ボールを見ようと思ってやっていた」と説明した。
近年は球速アップをはじめとして投手の進化が著しい。今季の開幕前には柳田も「球速も上がってますし、変化球もたくさん増えているので、そこにどうやって対応するか。若いころもずっと試していましたけど、辞めるまでずっとこんな感じじゃないか」とコメントしている。
その状況下でも、ベテランの年齢になっても一流の成績を残し続けている。現在パ・リーグの3割打者は2人しかいない。柳田はその一人だ。王会長をして「あまり見たことがない」と話す対応力とパワーをハイブリッドさせた打撃で「投高打低時代」にも変わらぬ存在感を見せつけている。












