【インハイアウトロー 加藤伸一】10日ほど前までトップを快走していたソフトバンクが、27年ぶりの9連敗で首位オリックスに5・5ゲーム差の3位で前半戦を終えた。とはいえ、連敗中に完敗を喫したのは1―8で屈した8日の楽天戦ぐらい。1試合平均の得失点差は2・4点で、5点差以上の負けが3度あった1996年の1引き分けを挟んだ9連敗とは中身が違う。
チーム成績を見ても、防御率3・19はリーグ4位ながら極端に悪いわけではなく、打率2割4分6厘と298得点は同2位。対戦成績も負け越しはオリックス戦の2つと西武の1つだけで、交流戦は11勝7敗で勝ち越した。これが低迷の要因だと断定できるような数字は見当たらない。
9連敗中に1点差負けは4試合、2点差負けが2試合あり、打線に「あと1本」が出なかったことがうかがえる。特に直近8試合は最大2点しか奪えておらず、1試合平均1・25点。これでは救援投手が1点奪われただけで目立ってしまうし、プレッシャーも大きくなる。「1点もやれない」と投球が窮屈になってしまうのも無理はない。
外から見ていて気になるのは、若手が育っていない点だ。ソフトバンク最大の長所は一軍から四軍まで備えた豊富な選手層。今年からスタートした四軍は度外視しても、他球団が「宝の山」とうらやましがる選手が二軍や三軍にゴロゴロいる。中には中の事情もあるのだろうが、強みを生かしきれてないように思えてならない。
オリックスも吉田の抜けた穴を埋めるべく、FAで西武から森を獲得したが、その森を故障で欠いても自前の戦力で白星を重ねている。先のソフトバンクとの直接対決で2戦連発と大当たりしたセデーニョも育成出身だ。5月半ばから〝お試し〟で使い始め、7月に入って40打数15安打(打率3割7分5厘)、5本塁打、18打点の大爆発につなげている。
現状を打破するには若い力が必要だ。柳田や近藤、中村晃といった主力が悪くないだけに、起爆剤となり得る若い選手を使える素地はある。こんな時こそ首脳陣が腹をくくるべきだろう。
一夜にしてゲーム差が3つも4つも縮まるわけではない。まだ61試合も残しているのだから力士のコメントのように「一日一番」の精神で難局を打破してもらいたい。(本紙評論家)












