〝規格外〟の存在感とは――。フィギュアスケート男子で五輪2連覇を達成した羽生結弦(28)は、19日でプロ転向から1年を迎えた。2月にはスケーター史上初となる東京ドーム単独公演「GIFT」を開催するなど、多くのファンを魅了している。本紙は節目のタイミングに合わせ、山口大学経済学部の加藤真也准教授に経済効果の算出を依頼。加藤ゼミの学生と共同でプロ転向1年におけるデータの分析を行ったところ、驚きの数字が飛び出した。

 加藤准教授とゼミ生8人は、アイスショー、CM・広告、書籍・雑誌・写真集という3つの観点から、日本全体に対する羽生のプロ転向1年間の経済効果を10日間かけて解析した。

 まずはアイスショー。1年間で出演した5興行(単独含む)で得たチケット収入、光熱費、会場費、人件費、グッズ費、協賛金などを条件によって細かく分類。詳細な数字が不明な部分は類似データと比較して試算したところ、約126億2200万円にも上った。

 CM・広告でも、さすがの金額となった。化粧品大手のコーセー社など10本(短期、長期含む)に起用された。CM出演料は年間契約料1本1億円、1クール契約料1本6500万円と仮定。さらにスポンサーからの支援金などを加えて試算したところ、約21億3800万円に。

 書籍・雑誌・写真集については、販売後2か月の総売り上げを軸に計算。掲載スペースの大きさによって数値を分けるなど、過大評価にならないように調整したとはいえ、単純な売上高は約15億円に及び、人件費なども合わせると経済効果は約28億6300万円となった。

 これら3つの観点を合計すると、羽生がわずか1年で日本全体にもたらした経済効果は何と約176億2300万円。その内訳は日本の国内総生産(GDP)を約94億500万円高め、日本国内で働く雇用者の所得額を約44億4900万円増加させたという。

 ゼミ生の1人は「試算する前は100億に届くか届かないくらいだと思っていた」と予想していたが、フタを開けてみると軽く100億円を突破した。「フィギュアスケートの競技人口は決して多くないので、悲観的に思っていた部分もあったが、いざ分析をしてみると100億の数字には全然収まらなかった」と仰天だ。

 この数字は個人として異例中の異例。経済効果情報専門サイト「経済効果.NET」が羽生の地元・宮城に本拠地を置くサッカーJ2仙台の昨季の経済効果を約148億8200万円と試算した点も踏まえると、羽生の数字はケタ違いと言えるだろう。

 この結果を受け、加藤准教授は「データを集める中でアイスショーだけでなく、幅広く活躍していると改めて感じた。今回の分析を通じて羽生さんの影響力の強さはまだまだ健在だなと思った」と指摘。その上で2年目以降の活躍に「SNSなどを活用する方法などはあるが、今後どのような形で羽生さんの魅力が発信されていくのか注目したい」と期待を寄せた。

 常に未知なる領域で輝き続けてきた羽生は、次にどんな世界を見せてくれるのだろうか。