エンゼルス・大谷翔平投手(29)の活躍が、日本のみならず世界の野球ファンに活力を与えている。11日(日本時間12日)にシアトルで行われたオールスター戦では、観客から「シアトルに来て」の大合唱。メジャーのスーパースターたちも、口々に「あんな選手は見たことない」「彼は天才だ」など、大谷のすごさをほめたたえる声であふれている。それはもちろん、あの人も例外ではない。大谷は「ミスタープロ野球」長嶋茂雄巨人終身名誉監督(87)の“最良のクスリ”にもなっているという。

 今季の大谷の活躍には目を見張るものがある。投げては9勝2敗、打っては46本塁打を放って満票でMVPに輝いたのは2021年のシーズンだったが、今季はそれを上回る暴れっぷり。チーム94試合消化の日本時間17日現在、7勝5敗、リーグトップの34本塁打と、2年ぶりのMVP、初の本塁打王へとまっしぐらだ。

 そんな大谷のプレーを、入院先の病院で楽しみにしているのが長嶋氏だという。

 長嶋氏の現状については巨人・山口寿一オーナーが10日のオーナー会議後「まあ悪くないんですね。これまでも何回か退院ができそうになるとちょっと熱が出る、というのを繰り返してここまで来てしまっている」と退院ができていない事情を説明。

 そのうえで「本人は元気だし別に何かが悪化しているというわけではないんですよね。そう遠からず病院を出て、それから日常に戻っていくと聞いてますけどね。これまでもそういうふうに聞いていたんだけど、熱が出てしまった。まあ熱といっても高い熱ではなく微熱なんだけど、病院の方がミスターのことなので大事をとるんですよ。何か心配な点があるわけではないんですよね。またいずれ元気な姿を見せてくれると思っています」と見通しを語っている。

 では、具体的にはどういう日々を送っているのか。長嶋氏に近い関係者によると「今は暑くなってきたというのもあって、大事をとっている感じ。涼しくなるまでは病院でということになるんじゃないか。せっかちな人だから入院生活が長くて退屈なようだけど、今の楽しみは大谷選手の試合を見ることで『すごいな!』『また打ったな!』と喜んでいるそうです。監督は大谷にこれまで2度、会ったことがあるんだけど、若くて才能のある選手は巨人の選手に限らず大好きな人だからね。監督にとって大谷の活躍が活力になってるのは間違いないと思います」という。

 巨人軍の球団訓には「アメリカ野球に追いつけ追いこせ」というくだりがあり、巨人監督時代の長嶋氏は「近い将来、日本の選手がメジャーで大暴れする姿を見たい」とも話していた。まさに長嶋氏が理想とした野球人の姿を、今の大谷は体現している。いや、投打の二刀流で全米の誰もがひれ伏すかのような大谷のパフォーマンスは、長嶋氏ですら想像できなかったほどの活躍といってもいい。

 その一方、長嶋氏は大谷について「野球だけが人生のような気持ちが大谷選手は強い。本当に野球を愛してるよね」とも語っていた。長嶋氏が脳梗塞で倒れる前、よく色紙にしたためていたフレーズに「野球というスポーツは人生そのものだ」という言葉があった。そういう大谷の“野球小僧ぶり”も、長嶋氏の胸を躍らせているのだろう。

 今の世の中には、悲しいニュースや誹謗中傷などで心を痛めている人たちも多いようだが「大谷翔平」から元気を、活力をもらっている人たちはたくさんいる。後半戦でもさらなる活躍で多くの人たちの“栄養剤”となってもらいたいところだ。

【現在の長嶋氏】長嶋氏は2022年の9月6日に体調不良を訴え、都内の病院に救急搬送された。娘の三奈さんによると「自宅で尻もちをついた際、後頭部を打ち、脳内に多少の出血がありました」とのことだが、早期に処置を行ったため、大きな影響はなかったという。以降は病院内でリハビリの日々が続いている。