【ライガーが語る獣神激論(特別編)】新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス33」は、いよいよ15日に北海道・札幌市の北海きたえーるで開幕! 史上最多32選手、4ブロック制で行われる今大会は、各ブロック上位2選手が決勝トーナメントに進出する。獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」特別編では、前後編の2回にわたりG1の行方を徹底予想。前編はA~Cブロックの展望を占う。新世代戦士の集結で最注目のAブロックを勝ち上がるのは――。
【Aブロック1位=ヒクレオ、2位=SANADA】
若い選手がそろって一番注目を集めてるね。海野翔太、成田蓮、辻陽太が入ってて、そこにノアの清宮(海斗)君がいる。バチバチの、荒れた試合も出てくると思う。
そうなるとSANADA君が経験の差を見せてスルっと抜けるんじゃないのかなって思うんだ。本来だったら王者でマークされる立場なんだけど、同世代同士の意識が強すぎるから戦いやすいんじゃないかな。
若い人たちが潰し合いになると、ヒクレオみたいなデカい選手が有利になってくる。終わってみれば若いヤツらが意地張り合って自滅して共倒れして、SANADA君とヒクレオが残ったっていう展開なんじゃないかなと。期待を込めてヒクレオを1位で予想します。
とはいえやっぱり辻、成田、海野の3人の組み合わせはどの公式戦も注目だね。「令和闘魂三銃士」と命名されてるけど、何でまたそこで、三銃士でくくるんだろうって疑問はある。新日本ってリメーク好きだねって言われちゃうし、新しいこと考えようよ。彼らには手かせ足かせいらない。もっと将来性を信じて、のびのび自由にやらせてもいいんじゃないの? あと清宮選手に関しては「ノアここにあり」って見せたいと思うんだけど、若い人特有の空回りが怖いよね。長丁場のリーグ戦の経験もないしスタミナ切れも怖いかな。
【Bブロック1位オカダ・カズチカ、2位グレート―O―カーン】
Bブロックは前年度覇者のオカダ選手やUS王者のウィル・オスプレイが狙われる存在。AブロックのSANADA選手は、若い選手同士が対抗心を燃やすからマークされにくいと予想したけど、こっちはそうならないと思う。優勝できなくても王者に勝った人間は挑戦権を主張できるから、特にオスプレイは厳しい戦いになると思う。
ただ、カズチカに関しては、そういう戦いも慣れっこだからね。去年もキッチリG1を連覇している。ここは盤石で、1位突破は間違いないと僕は見てます。
もう一人は誰かってなると、オーカーン選手を推したい。キャラクターが強烈ですけど、サブミッションもうまいし、身体も頑丈だし、試合を見てたらすごい強いヤツだって思うんだよ。今年のG1の穴かもしれないよ。シングルのベルトをまだ取ってないし、最高の舞台。もうそろそろいいんじゃない?ってファンも思ってるんじゃないかな。
【Cブロック1位タマ・トンガ、2位EVIL】
ここは難しいよねえ。EVILがね…どう反則をしてくるのか。絶対パートナーを連れてくると思うんだよ。総力戦じゃないけど、そういう形をつくってくると出て来やすいかなって思うよね。
例えば(アーロン)ヘナーレなんかは最近伸びてきてるんだけど、ちょっと一本調子のところがあるから対戦相手は対策が立てやすい。で、それを言うと、このブロックはそういう選手が多いのよ。だから悪知恵の働くEVILが有利なんじゃないかな。
じゃあもう一人誰かとなると、僕の中ではタマ(トンガ)ちゃんか、鷹木(信悟)君。ただ鷹木君も言ってみれば力でガンガンいくから一本調子になりやすい傾向がある。キャリアとかインサイドワークを考えると、タマちゃんなんじゃないかな。
(デビッド)フィンレーはうまいんだけど、G1で勝ち上がる強さがあるかと言うとそこまでいってない気がするんだよね。G1の試合って、普段やっている試合とは次元が違うからね。その経験値っていう意味でも、タマちゃんの方が上かなと思っている。
実力的に見れば1位はタマちゃんで、EVILが横一列で並んでたところからポンっと頭一つ抜けるような勝ち上がり方をしてきそうかな。
(後編に続く)