頼れるエースが帰ってきた。阪神・青柳晃洋投手(29)が11日のDeNA戦(倉敷)に先発し、7回6安打2失点で今季3勝目をマーク。5月19日以来の一軍マウンドを60日ぶりの白星で飾り、久々のお立ち台では「やっと帰ってこれました。本当に最高の気分。今年一番うれしい白星になった」と実感を込めた。
チームにとっても、首位攻防第1ラウンドを7―2の快勝で制した意味は大きい。春先にらしくない投球が続いていた青柳は5月20日から一軍を離れ、二軍で黙々と投げ続けた。2年連続の最多勝投手は二軍戦5試合で32回0/3を投げて防御率2・25と格の違いを見せつけたが、なかなか一軍から声はかからなかった。
いみじくもこの日の舞台となった倉敷マスカット球場で1998年5月26日にノーヒットノーランを達成し、現在は東京・新橋の居酒屋「TIGER STUDIUM」を経営する球団OB川尻哲郎氏(54)は「岡田監督も早く使いたい気持ちはあったかもしれませんが、ここぞのタイミングまで機を待っていたのでしょう」と分析した。
第1次岡田政権下の2008年は8月末から急失速し、最後は最大13ゲーム差をつけていた巨人にまくられた。その教訓もあるのだろう。今年は6月に8勝14敗1分けと苦戦し、ファンの間でも〝青柳待望論〟が叫ばれていたが、指揮官はジッと我慢。腐らずに機を待ち続けた青柳も大したものだが、前半戦最大の山場でエースを復帰させた岡田監督の演出にも目を見張るものがある。川尻氏は「青柳は後半戦の活躍も期待できるし、いよいよ〝アレ〟への期待も高まる」とベテラン指揮官の手腕にうなった。
実際に岡田監督も、青柳のメンタルには最大限の配慮をしていたようだ。試合後には「(登板前の青柳の)新聞のコメントを読んで切羽詰まってるなと思ったからな。試合(開始)寸前に呼んだんよ。『今日、どんなピッチングをしようが、後半戦はローテーションで投げなアカンわけやから。楽にいけ』とな」と舞台裏の一端を明かした。
川尻氏の見立てでも、青柳の状態は「課題だった対左打者に対しても、力強い直球で内角を突けていた。3回までパーフェクトと立ち上がりが素晴らしすぎて『本当にノーノーしちゃうかも』と思った」と文句なし。〝アレ〟に向けた岡田監督のプロデュースに抜かりはないようだ。












