阪神・青柳晃洋投手(28)が15日の中日戦(甲子園)に先発し、6回を6安打1失点。チームを2―1の勝利へ導き、両リーグ最速の今季10勝目をマークした。
試合後「調子は全然良くなかった」と振り返った通り、立ち上がりから再三得点圏に走者を背負う苦しい立ち上がり。それでも身上とする幅の広い投球術で苦境を何度もしのぎ、失点を最少に抑えた点に、エースとしてのすごみがにじみ出る。開幕からドン底の最下位に沈んでいた阪神もこの日の勝利で3位に浮上。右腕もお立ち台で「チームが勝てたのが何よりもうれしい」と白い歯を見せた。
そんな青柳と同様「先発完投型」のサイドスロー右腕だった、球団OBの川尻哲郎氏(53)は、後輩の活躍を「力のある直球に加え、カーブやシンカーなどの変化球が効果的に作用している。高低を使い分けた制球も抜群だし、特にこれまで課題としてきた左打者対策として、バックドアのカーブが武器になっている」と分析する。
さらに川尻氏は「もはや今の青柳は斎藤雅樹さん(巨人)の域にまで近づきつつあるのかもしれない。斎藤さんも右のサイドスローから繰り出すシュート、カーブ、スライダーを武器に打者の内外角を攻める投球が特徴的だった。青柳と共通する点は多い」と最多勝を5度、沢村賞を3度受賞し、1990年代の巨人投手陣を支えた伝説のサイドスロー投手の名を引き合いに出し絶賛。
「理想的なフォームで投げることができているし、この好調は当面続くだろう。だがポストシーズンまでの長丁場の戦いを考えれば、チームもエースを大切に扱ってあげてほしい」と語る。
勝利数(10)、防御率(1・37)、勝率(9割9厘)だけでなく、奪三振(90)、完投数(4)でもセ・トップの数字を独占する青柳。自身初となる沢村賞受賞も現実味を帯びてきた。「平成の大エース」斎藤氏にどこまで近づくことができるのか、注目したい。












