日本ハムに新加入した郡司裕也捕手(25)の勢いが止まらない。

 先月19日にトレードで中日から移籍すると、同30日のオリックス戦(エスコン)から一軍初昇格。同日に「2番・指名打者」で即スタメンに抜擢され、移籍後初打席で初安打をマークした。さらに翌1日の試合でも2安打を記録。3試合連続スタメン出場となった2日の試合も3安打2打点の大暴れで、チームの連敗脱出に大きく貢献した。

 これで郡司は移籍後出場3試合で12打数6安打2打点。打率5割となり、早くもレギュラーを奪う勢いを見せている。本人はこの猛打について「正直、こんなうまくいくとは思ってなかったんですけど。チャンスをくれた両球団と、DH(指名打者)という制度に感謝したいと思います」と満面の笑み。

 プロ4年目の新加入選手をスタメンで起用し続ける新庄監督も、連日の躍動には「郡司君はもう15年目かな?」と目を丸くするばかり。「何かベテランの代打の切り札チックな落ち着きようと、やっぱりキャッチャーですね。球種を絞って一発で捉えていくところはね。いやぁ、ベテランの姿にしか見えない。頼もしいです」とチームの連敗を「3」で止めた功労者の一人を絶賛した。

 ただ、郡司が活躍すればするほど、指揮官が頭を悩ませる問題もある。試合で守らせるポジションが限られているからだ。

 郡司は現時点で捕手登録だが、日本ハムの捕手陣は打撃が持ち味のマルティネスとリードに定評のある伏見の二人で安泰。郡司が付け入るスキはほぼない。となれば、外野か内野になるが、新庄監督は「外野はないっすね」と否定的だ。

 そこで浮上するのが一塁だが、チームには清宮、野村、加藤豪ら一塁手が粒ぞろい。マルティネスも捕手で出場しなければ一塁を守る。こうしたチーム状況から郡司の打力を生かすには今のところ指名打者しかない。

 その指名打者も他選手の休養のために空ける必要が出てくるため、指揮官も今後の郡司の起用には「もうこれ、DH、ファーストも練習させながらで…。(起用法は)難しいですね」と苦笑い。頭を抱えるばかりなのだ。

 新庄監督はすでに9日のロッテ戦(エスコン)で郡司とともに中日から新加入した山本拓実投手(23)の2人をバッテリーとして先発起用することを予告済みだが、その後はどうするか決めていない。「まあでも、これはいい悩みなんでね」と笑う指揮官だが…。うれしい悲鳴は当分続きそうだ。