【グラゼニ球論・金村暁】新井カープがノッてきました。敵地で日本ハムに3連勝。今後のさらなる浮上を感じさせたのが、3連戦の勝ち方です。
カード初戦はロースコアの接戦を終盤に逆転、2戦目は投手戦を制して1―0。そして8日は全て二死からの得点で6安打7得点の効率的な攻めで、中盤以降は完全に試合の主導権を握り、投打のかみ合った快勝でした。バラエティーに富んだ勝ち方は、若い選手が多いチームにおいて「勝ちながら、戦いを通じて強くなる」印象を大いに受けました。
新井監督は就任初年度ですが、広島にとっては前年までの過去3度の交流戦はいずれも最下位。言わば、1年で最初の正念場です。新井監督も「そこは十分、意識しています」と最初のカードだったオリックス戦前には「去年までは関係ないから。今年は絶対に(上位に)行くぞ」と〝鬼門〟との決別へナインを鼓舞したと聞きます。
就任以降、雰囲気作りには常に気を使う新井監督らしい話で若手が萎縮することなく、失敗をとがめず、成功すれば大いに褒める。チームとして積極性を常に失わせることのないようなマネジメントを一貫して行っているのと同時に、見逃せないのがベテランの生かし方です。この3連戦でも初戦は代打・松山の決勝打、この日は途中出場の田中が9回にダメ押し3ラン。その裏を締めた中崎も含め、2018年までの3連覇経験者たちをうまく織り交ぜながら、勝利を引き寄せている点です。
若手を育てつつ、やや峠を越えたとされるベテランの力も殺すことなく生かし切る。チームとしてのバランスや厚みを感じさせる新井監督のタクトは、就任1年目には思えないほど巧みで、結果としてチームの一丸ムードにもつながっているように感じます。
貯金を今季最多タイの3としただけでなく、交流戦も5勝4敗の首位タイで折り返しました。残りのロッテ→楽天→西武と続くカードもカープにとっては〝追い風〟となりそうです。3球団とも交流戦下位に低迷し、チーム状態も思わしくないだけに、一気に交流戦の頂点まで狙える可能性が出てきました。北の大地で披露した勝負強さの際立った3連勝は、近年の交流戦での負の歴史にもピリオド打つターニングポイントになりそうです。
(本紙評論家)












