新日本プロレスのIWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロム(33)が、〝約束の挑戦者〟迎撃に闘志を燃やしている。V5戦(6月4日、大阪城ホール)で迎え撃つ「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」覇者のマスター・ワト(26)からは、3年半前にメキシコの地で宣戦布告を受けていたことを告白。ジュニアの象徴として君臨する王者は、高い壁となってその思いに応える。

 大会4連覇をかけたBOSJでヒロムは、準決勝にも進むことができずに無念の敗退。悲願の初制覇を飾ったワトとの大阪城決戦は、名誉挽回をかけたV5戦となる。

「この過酷なBOSJをワトが勝ち上がって優勝してくるというのは予想してなかった。予想外なので、彼の挑戦はうれしいなと」と、若き挑戦者を歓迎した。

 次世代を担うとされるワトをジュニアヘビー級の世界に導いた存在はヒロムに他ならない。ワトは若手時代の2017年6月の後楽園大会で行われたタッグマッチでヒロムと激突したことで、ジュニア戦士として生きていくことを決意したと公言している。

 ヒロムは「自分もそう言われるところまで来てるのか、俺ってもう、そういう立場の人間なんだと改めて思ったというか。だとしたらなおさら、ここで簡単に高橋ヒロムを超えられるわけにもいかないなと思います」と感慨深げな表情で必勝を誓った。

 今でも忘れられないのが19年10月の出来事だ。第一頸椎を複数箇所骨折する大ケガからの復帰を控えていた時期に、都内の新日本道場が台風による浸水被害を受けた。そこでヒロムは練習のためにメキシコに渡り、当時海外武者修行中だったワトと再会を果たした。

「一緒に練習した後に2人でアレナ・メヒコのリングに座って『いつか必ず、ヒロムさんに勝ちます』って言われたんです。誰もいない、カメラも何もないところで宣戦布告されたんで、すごいなと。あの時はちょっとドキッとしましたよ。カッケーなって。シンプルにうれしかったですね。その時からそういう目で見てもらってたんだなっていうのもあるんで、今回は『来たか』っていう感じですね」

 追いかけられ続けてきた相手だからこそ、高い壁であり続けることが義務。「ある意味で、ここからが新たな高橋ヒロムの始まりなんじゃないかなと。この試合が。だからこそ負けるわけにいかないですね」と言い切った。

 30日はドラディション後楽園大会に参戦し、6人タッグ戦で藤波辰爾と初対決。レジェンドと肌を合わせ、大きな刺激を受けた。あらゆる意味でジュニアの中心人物として君臨するヒロムだけに、まだまだベルトを失うわけにはいかない。