岐路に立つ「左封じのスペシャリスト」復活なるか――。二軍再調整中のソフトバンク・嘉弥真新也投手(33)は、今季13試合に登板して防御率6・43と振るわず、21日に登録を抹消された。昨季まで6年連続で50試合以上に登板。主に左の強打者をシャットアウトする中継ぎのスペシャリストとして地位を築き、昨季は防御率0・99。首脳陣からの信頼が厚いベテラン左腕は、今後の野球人生を見据えた上でのファーム行きだった。
伝家の宝刀である大きく曲がるスライダーに頼りきるのではなく、左打者の内角へツーシーム、真っすぐを投げ込んで活路を見いだす取り組みを重ねてきた。斉藤和巳投手コーチ(45)は降格を告げた直後、その真意をこう語っていた。「嘉弥真はずっと左バッターに対して投げてきているので、相手バッターも分かっている。そこはいろいろ違う方法をやっていこうと監督、本人と一緒に話をした。抹消した10日間を使って新しいチャレンジをするため。特殊な仕事場なので、だからこそ、これは彼がこの先一年でも長くできるための時間」。もちろん今季の戦いにおいても必要不可欠な存在だが、その先の選手寿命を見据えた上での大局的な判断だった。
一軍の投手指名練習が行われた29日、斉藤コーチは「(二軍の)映像も見ているし、報告も受けている。監督とも、一回(嘉弥真を)こっちに呼んで話をしようとなっている。本人がどういう状態なのか。本人の口から聞いた上でまた考える形になる」と言及。二軍降格後3試合で防御率6・00と数字が伴っていない中で、左腕の最短10日での一軍再登録を判断すると明かした。
欠かせない「左封じ」の完全復活。修羅場をくぐった場数と胆力から代えの利かない存在だけに、再生の歩みは気になるところだ。












