勝ちに恵まれない男の胸中は――。ソフトバンクの今季開幕投手・大関友久(25)は、ここまで7試合に先発して防御率1・84と抜群の安定感を誇りながら2勝4敗と黒星が先行している。前回16日の楽天戦(盛岡)ではソロ本塁打3発を食らい、8回3失点で完投負け。9日の日本ハム戦(熊本)では今季初完封を飾っており、2戦連続完投中だ。

 9イニングあたりで味方打線が何点援護してくれているかを示す援護率1・24は、規定投球回に達している投手の中で12球団ワースト。そのせいなのか、0―3で零封負けした16日は「頭の中で整理がついていなかったので、話せなかった」と、珍しく降板後のコメントすら発信しなかった。

 ただ、時間を置いたことでシンプルな気づきがあったという。もともと前向きな性格。今一度、開幕投手を託され、2日のオリックス戦以降は週頭の火曜日を任されている意義を受け止め、腕が鳴っている。「相手も防御率1点台とか0点台の投手が来るわけで、そこは(味方打線が)何点も取れないのは当たり前の話。そこに投げ、勝てる実力が自分にあるか、ないかというところ。ワンランク、自分が上がらないといけない」と冷静に語ると「週頭から外れたくないと思ってやっている。近いうちにそこで勝てるような投手になりたいし、ならないといけない」とも続けた。

 育成入団から4年。昨年8月の左精巣がんの摘出手術を乗り越えた左腕には、風格さえ漂い始めている。