じくじたる思いを抱えつつ、勝利のために懸命に戦っている。ソフトバンクは21日の西武戦(ペイペイ)に3―1で競り勝ち、カード勝ち越しを決めた。先発・藤井が5回1失点で4勝目。後を受けた救援陣が無失点でつなぎ、14残塁と拙攻も目立った打線が奪った3得点を守り抜いた。

 この日も貴重な一打で存在感を放ったのは、甲斐拓也捕手(30)だった。2回二死三塁、内角の真っすぐを詰まりながらも左前へしぶとく弾き返す先制打。初戦に続くタイムリーで、直近4試合では3本目となる適時打だった。今カード、中軸が3戦合計3安打と元気がなかった中で、下位打線に入る甲斐のバットがチームを救った。

 打率は1割7分7厘と低迷しているが、得点圏打率は3割3分3厘。「毎日、結果を求められる立場。結果を出していかないといけない。毎日、考えてやっています」。定位置の9番に座るが、チームや中軸が苦しい時に奮闘する姿は、主力としての自覚がにじむ。今季、甲斐が打点を挙げた試合はこれで10戦全勝。本人は「こんな成績で…」と口にはするが、チーム内では「12打点は多いと思う。何よりチャンスでしっかり稼いでくれている」「なかなか褒められないポジションだけど、今年もよく頑張っている」と、その貢献度をたたえる声は多い。

「気づいている人は多い。神話性みたいなものは確かにある」と、球界ではおなじみの吉兆データを歓迎する声もある。

 守備での貢献度は言わずもがな。試行錯誤が続く打撃ではまだまだ悩みも多いが、苦しい時期をいかに乗り切り、チームに貢献できるかを実践している。チームは開幕からなかなか波に乗れないが、これで5カード連続負け越しなし、貯金4の2位と踏ん張っている。チームも甲斐も笑顔満開とまではいかないが、辛抱強く地道な一歩を刻んでいる。