【柏原純一「烈眼」】岡田阪神の強さが際立ってきた。前日の1―0の僅差勝ちに続き、21日の広島戦(甲子園)も4―1で快勝。この日も終盤7回までロースコアの攻防だっただけに、2試合連続の接戦勝利で3カード連続の勝ち越し。40試合を終え、貯金11のここまでのチーム作りの過程に岡田彰布監督(65)も手応えを深めていることだろう。

 もちろん、この好循環にも要因がある。ひと言で言えば、それは岡田監督の〝忍耐強さ〟。開幕前から先発野手の固定化を明言し、現在もバッテリーを除く野手7人のうち先発6人が固定起用。4月時点ではこの面々のなかにも、調子が上がらずに苦しい時期を過ごした選手もいたからだ。

 5番の佐藤輝は、その代表格。4月下旬まで本塁打なしの打率1割台も、今月はここまで5本塁打、16打点と復調。打率も2割5分まで戻してきた。この日、7番を打った梅野もしかり。捕手というポジション柄、打撃まで手が回る捕手は希少とはいえ、1割台前半のここまでの打率は、彼の経験値を考えれば低すぎだった。だが、この日は今季初の猛打賞で3打点。中心選手としての役割を常に期待される立場の2人の復調は、さらなる相乗効果をもたらすのではないかと感じている。

 それは19日に再昇格、翌20日の試合ではサヨナラ打を放ったドラフト1位新人・森下翔太外野手(21)の起用法だ。今カードから再昇格し「6番・右翼」で先発オーダーに名を連ねるドラ1新人は、積極的な打撃スタイルが評価できる一方、無安打に終わった21日を見る限り、まだストライクからボールになる変化球にバットが空を切るなど、一軍レベルの投手に対しての経験値の浅さも否めない。だが今後も、前後を打つ打者が一定の打撃状態を保てていれば、仮に森下が6番で十分な確率を残せていないなかでも、打線としての得点力の機能は十分に見込める。

 森下は1年目から開幕スタメンも勝ち取った将来の中軸候補。そんな育成ビジョンを完遂するためには、いずれかのタイミングで許容範囲の幅を広げ、結果が出ずとも〝がまん〟をしながら起用を続ける時期があってしかるべきの選手でもある。1~8番までレギュラーと呼ばれる先発野手の調子の足並みが揃ってきた〝今〟が、そのときなのかもしれないと感じている。

(野球評論家)