DDTの赤井沙希(36)が、英国の3冠王に圧倒的な強さを見せつけた。

 3日の横浜武道館大会で初来日中のレイン・レイバークーセンと激突した。レインは世界的なハードロック・ヘビーメタルバンド「アイアン・メイデン」の元ドラマー、クライブ・バー(故人)の姪。現在キャリア1年半で英団体のハッスル王座、メイデンオブケイオス王座、プロレスリングEVEタッグ王座の3冠王だ。

 前哨戦から火花を散らしてきた2人はこの日も激しくてぶつかり合い一進一退の攻防を展開。中盤レインに強烈なハイキックを決められバックフリップを食らい苦戦を強いられる場面も。それでも赤井は得意の蹴り技を連発し反撃に成功すると新人賞(顔面への二段蹴り)をお見舞いした。完全に赤井のペースに引き込むと最後は必殺技「ケツァル・コアトル」(変型マヒストラル)で3カウントを奪った。

 試合後、バックステージに現れた赤井は「いろんな思いを持って試合しているなっていうのは伝わりました。自分も家族のことで最初は色眼鏡に見られてたこともあったので、周りの環境とかを抜きにしていいレスラーに育ってくれればいいな」とエールを送った。 

 ただ「アイアン・メイデン」を知らなかっただけに「逆に、そのビッグネームを知らないまま一レスラーとして戦えたので、自分の無知もたまには役に立つなと思いました」と苦笑いを浮かべた。

 一方、レインは「また日本に来る時に私がベルトを持っていたら、彼女とタイトルマッチをやらなきゃいけないかな」と赤井との再戦を熱望した。