いまだあの興奮と感動に酔いしれている人は多いだろう。侍ジャパンが3月開催の第5回WBCで3大会ぶり、3度目の優勝を成し遂げた。エンゼルス・大谷翔平投手らMLB組を筆頭に舞台裏でどのようなドラマに直面していたのか。WBC取材班が〝知られざる話〟を一挙公開――。

 デスク あれから1か月半ぐらいたったけど、侍ジャパンのWBC制覇の余韻はまだまだ冷めないな。

 記者A とにかくフィナーレがあまりにも劇的でしたからね。ローンデポ・パークで行われた米国との決勝戦。大谷が1点差の9回からマウンドに立ち、二死の場面でエンゼルス同僚のマイク・トラウトから空振り三振を奪ってゲームセット。あの瞬間、現地の記者席では多くの米メディア関係者も取材者であることを忘れ、まるでファンのようになってスマホを片手に歴史的シーンを撮影していました。

 記者B ハリウッド映画の名だたる脚本家でも結末がキレイ過ぎて思いつかないようなエンディングだったよな。そこで世界一の胴上げ投手となった大谷は最後の最後までやっぱり“主役”だったね。

 記者C 大谷は宮崎合宿には参加せず3月3日から日本代表に合流しましたが、それ以降、周囲のフィーバーぶりも本当にすごかったですよ。日本メディアはもちろんのこと、1次ラウンドでは韓国メディアもわざわざ「大谷番」の記者を密着マークさせていたほど。「何でもいいから大谷の情報を教えてくれ」と日本の報道陣に逆取材する姿も目立ちましたよね。

 B 韓国でも大谷の人気は想像以上にすさまじい。それもあってか、熱が入った一部の韓国メディアの中には大マジメに「大谷は日本だけのスーパースターではない。アジア全体のレベルアップを考え、将来は韓国のKBOリーグに移籍して我が国の野球界にも“二刀流の種”を植えつけてほしい」と説くメディア関係者までいた。

 A その韓国は日本に完敗するなど、あっさりと3大会連続で1次ラウンド敗退。痛かったのは初戦のオーストラリア戦に乱打戦の末に敗れて黒星スタートになったことなんだけど、韓国代表側からは「大事な初陣で日本に足を引っ張られ、出鼻をくじかれてしまった」といまだに嘆き節が収まらないらしい。試合前に両国の国歌に加え、日本の国歌・君が代も流れたことで「なぜ韓国とオーストラリアの対戦なのに日本の国歌なのか」「われわれのモチベーションを下げるための“陰謀”ではないのか」などといった声も出ていた。

 デスク 記念すべき1次ラウンド初戦で開催国の国歌を吹奏する行事は異例でも何でもなく、普通のことだよ。それは言いがかりだよなあ。