【米ニューヨーク22日(日本時間23日)発】ブーイングの嵐がやまない。ブルージェイズのウラジミール・ゲレロ内野手(24)が敵地ヤンキース戦で因縁の相手を前に、存在感を示している。

 2021年にエンゼルス・大谷翔平投手(28)とシ烈な本塁打王争いを演じたことで、日本でもなじみのあるゲレロ。ニューヨークのファンに歓迎されない理由は明確だ。昨オフに現地メディアのインタビューで「ヤンキースには死んでも行かない」「ヤンキースタジアムでプレーするのは好きだ。なぜなら彼らのファンを落胆させるのが好きだから」などと名門を刺激しつつ、ブルージェイズ愛を表明。それ以前にもさまざまな伏線があった中で、溝が深まる爆弾発言だった。

 今季初の直接対決3連戦。打席に入るたびにヤンキースファンの大ブーイングを浴びている。それでもヒール役を楽しむようにゲレロは、名門の聖地で有言実行のパフォーマンスを見せつけている。21日(同22日)のカード初戦は、第1打席にやや詰まりながらも規格外のパワーで左翼へ先制2ラン。この日も第1打席にヤンキースの絶対エースであるコールの初球を捉えて、痛烈な左翼線二塁打を放った。いずれも試合の入り、耳をつんざくようなブーイングが鳴りやまない最中の痛打。打球のゆくえを追うヤンキースファンが一瞬にして静まり返る「落胆の瞬間」を堪能している。

 昨年4月13日(現地)のヤンキースタジアムでの一戦でも、1試合3発の離れ業を披露し、ヤンキースと敵地ファンをノックアウトしたゲレロ。ヒールの血が騒ぐのか、今年も貫録を示している。
 
 やや心配なのは不穏な空気。初戦の9回に死球を受けた直後、ブルージェイズのシュナイダー監督がベンチから飛び出し、両軍がにらみ合う場面があった。ゲレロは何食わぬ顔でふてぶてしく一塁へ向かったが、周囲は肝を冷やした。それでもゲレロは、試合後のロッカーで番記者に囲まれ、因縁を生んだ過去の発言を訂正する意図がないことを強調した上で「ここで打ちまくりたい」と表明したという。

 まだまだ物足りない――。敵も味方も盛り上がるエンターテイナーから目が離せない。