〝脱・一発頼み〟はかなうのか。巨人は16日の中日戦(バンテリン)に5―7で惜敗し、再び最下位に転落した。4カード連続の負け越しで、リーグ最速で10敗に到達…。ブレーキの要因として日替わりオーダーが各方面から挙げられているが、中でも重量打線による機動力不足を指摘する声も上がり、ある若武者がキーマンとなりそうだ。

 どうにも波に乗れない。この日は先発した赤星が2回5失点で早々とKO。打線はウォーカーの2ランなどで粘りは見せたものの、序盤の大量失点が最後まで重くのしかかった。たった1日で最下位に逆戻りすることになったが、原辰徳監督(64)は「粘っこく攻撃していったけどね。(打線のつながりは)徐々にね。(中軸を)固める側は良くなってきたと思いますよ」と収穫も口にした。

 安定軌道に乗れない要因はつながりを欠く日替わり打線にあるが、ライバル球団のOBからはこんな声も上がっていた。

「メンバー的にも昨季とあまり変わっていない印象。実績も名前もあって一発もある打者は並んでいるけど、機動力があまりない。塁に出ても走られる心配もほとんどないし、(巨人が)序盤に劣勢になっても送りバントをさせるような打者もいない。結局、ベンチはただただ『打て』と言うしかないんじゃないか。それじゃあ、なかなか点も取れないだろう」

 昨季は20本塁打以上が5人も並び、リーグ2位の計163発を記録。ただ、得点力を伸ばせずにBクラスに沈んだ。そうした反省も踏まえ、指揮官も「ホームランというのは(相手の)チーム、勝利を支配する上では順位的にそうそう高いものではない」と言い「バント、進塁打、あるいは犠飛。そういう野球が足りなかった」と〝緻密な野球〟の重要性を説いていた。

 もちろん、ひと振りで流れを変えられる本塁打は野球の醍醐味の一つだ。しかし、スタメンに名を連ねた主力組が不振に陥ると、ひたすら凡打を繰り返す淡泊ぶりだけが際立ってくる。前出OBは「ベンチが実績のある選手を使いたいのか、それともスタメンを張れるような機動力のある若手が育っていないのか」と手厳しかった。

 成績としても極端な数字に表れている。15試合を消化して13本塁打は12球団トップである一方、機動力不足を物語るように盗塁数は最少の「1」だ。

 そんな中で、この日は「2番・二塁」でスタメン出場した中山礼都内野手(21)が2試合連続で打点をマーク。原監督も「たいしたもんだよね」と目を丸くしたが、肝心なのは継続できるかどうかだ。俊足とともにパンチ力も兼ね備える若武者が定着できれば、いよいよ〝一発頼み〟から脱却できるかもしれない。