天才打者の復活はなるか――。5日のDeNA戦(横浜)で開幕戦から16打席連続無安打の坂本勇人内野手(34)が、今季初めてスタメンを外れた。試合では〝代役〟のドラフト4位・門脇誠内野手(22)がプロ初安打となる二塁打をマークするなど猛アピール。通算2205安打を誇る坂本が、かつてない逆境に立たされている。

 この日のDeNA先発は元同僚の平良。右ヒジのケガから727日ぶりの一軍登板となったが、それを迎え撃つ巨人の先発オーダーに坂本の名前はなかった。

 代役として指名されたのは、変則右腕である平良対策ということもあり、左打者の新人だった。門脇は「8番・遊撃」で出場すると、2回の第1打席で141キロ直球を弾き返し、三塁線を抜く二塁打。これがうれしいプロ初安打となった。

 坂本はベンチで自分のことのように喜びを爆発させていたが…。結局、巨人打線は平良を6回4安打無得点と捕まえられず。後続にも抑え込まれ0―2で今季初の零封負けを喫した。

 原監督は坂本のベンチスタートについて「まあいろんなトータルで考えてということですね。明日(のDeNA戦)は先発で行かせるつもりでいます」とあくまで相手投手との兼ね合いによるものとした。

 もっとも坂本が通常の状態だったら出場を迷うことはない。オープン戦でも打率1割1分1厘と低迷し、開幕後もノーヒットが続いていた。大久保打撃チーフコーチは「野手全員が状態がいいということはありえない。他のみんなが打てなくなった時に坂本が調子を上げてくれればいい」と長期的な視野で背番号6の復活を期待。現在、4番・岡本和が打率3割6分8厘、5番・中田翔が打率3割3分3厘、2本塁打と主軸は好調を維持している。まだ余裕があるウチに坂本にじっくり調整してもらうという考えもあるようだ。

 それでもタイムリミットは迫っている。このまま坂本の調子が上がらなければ、この日の門脇だけでなく、オープン戦で打率3割3分3厘、1本塁打と好調だった中山らも虎視眈々と遊撃のポジションを狙っている。若手が結果を出していれば、坂本の調子が上がった時に居場所がなくなっているケースもある。

 この日も〝兄貴分〟である亀井打撃コーチがマンツーマンで坂本の練習を指導した。昨年はたび重なるケガで3度の二軍落ちを経験しているが、大久保コーチが「居残り練習もしっかりやっている」と話すように体の状態が悪いわけではない。

 それだけ今回の極度の打撃不振は深刻とも言える。果たして坂本は、若手の突き上げをハネ返せるのか、それともこの日のスタメン落ちが世代交代の転機となってしまうのか――。