世界最大のプロレス団体「WWE」(米国)の名誉殿堂「ホール・オブ・フェイム」のセレモニーが31日(日本時間4月1日)、米カリフォルニア州ロサンゼルスのクリプト・ドット・コム・アリーナで開催され、殿堂入りした武藤敬司(60)の化身グレート・ムタが、世界のファンを魅了した。

WWE殿堂入り式典で手を合わせるグレート・ムタ
WWE殿堂入り式典で手を合わせるグレート・ムタ

 元人気ディーバのステイシー・キーブラー、コメディアンのアンディ・カウフマンの後〝ネイチャー・ボーイ〟リック・フレアーに「これまで一緒にリングに立った中で最高の選手」などと紹介されて登場。ノア1月1日の日本武道館大会で対戦したWWE所属の中邑真輔も式典に出席する中、タキシードに身を包んだムタは、独特のゆったりした足取りで登壇した。

 フレアーからは、2013年3月に亡くなった息子のリードさんをムタ(武藤)に預けたが、まるで自分の子供のように扱ってくれたと感謝された。フレアーと熱いハグをかわすと、観衆は一斉に「ムタ!」「ムタ!」と大コールだ。

握手するグレート・ムタ(右)とリック・フレアー
握手するグレート・ムタ(右)とリック・フレアー

 ムタは「ハロー! グレート・ムタだ。私は英語をうまく話せない」と前置きした上で「これだけは言っておきたい。皆さん、ありがとう。WWE、ありがとう。WWE殿堂入りできて、とても光栄です。私はこの仕事を愛している。みなさんに幸運を」とスピーチした。

 さらに日本語で「どうもありがとうございます」とあいさつして手を合わせながら一礼。さらに演台の前に進み出ると、何と毒霧噴射だ。グリーンミストを噴き出すパフォーマンスで、拍手喝采を浴びた。式典に出席し、毒霧を継承しているアスカもガッツポーズで喜んだ。

左からアスカ、グレート・ムタ、中邑真輔、イヨ・スカイ
左からアスカ、グレート・ムタ、中邑真輔、イヨ・スカイ

 WWE殿堂入りは、日本レスラーとして10年の故アントニオ猪木さん、15年の藤波辰爾、20年の獣神サンダー・ライガーに続き、史上4人目の快挙。ムタは今年1月22日のノア横浜アリーナ大会でラストマッチ、武藤は2月21日の東京ドーム大会で引退試合を行った。