プロレスリングマスターの本音は? 魔界の住人ことグレート・ムタが世界最大プロレス団体の米「WWE」の2023年名誉殿堂「ホール・オブ・フェイム」入りが決まり、代理人の武藤敬司(60)が心境を語った。〝日本人レスラー〟史上4人目の快挙に加え、〝師匠超え〟となる偉業も達成。その喜びもひとしお、まさかのボヤキが飛び出すなど相変わらずの武藤節が炸裂だ。

 16日未明にWWEはムタの殿堂入りを発表。2010年の故アントニオ猪木さん、15年の藤波辰爾、20年の獣神サンダー・ライガーに続く快挙となった。

 代理人の武藤は「WWEに一回も上がったことがない中でこうやって評価されて、殿堂入りになったということで。ありがたいですよ」と殊勝に語りつつも「客観的に武藤敬司の目から見たらさ、ムタのアメリカでの知名度とか考えたら当たり前かな、なんて思ったりもする。正当な評価というかね」と胸を張った。

 気になる化身の反応については「魔界の門は閉まっているけど声だけは聞こえるんだよ。殿堂入りを伝えたら『あ、そう』って。やっぱり当たり前のように思ってるみたいだった」と明かす。

 しかも、ノアの発表ではムタと同時に武藤敬司としても殿堂入りを果たしたという。化身と本体の〝同時受賞〟は初で、武藤は「俺も二刀流だな。猪木さんだって『アントニオ猪木』として取っているけど(本名)猪木寛至では取ってないから。うれしいよ」と天国の師匠でも成し遂げられなかったことに満足げだ。

 だが、ただ喜ぶだけでは終われないのが天才だ。「どうせだったら現役時代にこういうタイトルをもらえたら、もっと生かすことができたけどなあ」とポツリ。脳内では「もしも現役中に受賞していたら…」のビジネスプランが浮かんでいるのか「引退してからいただいても生かせることができないよな(苦笑い)。グレート・ムタとか、もう戻ってこないんだから」と唇をかんだ。

 殿堂入りセレモニー「WWEホール・オブ・フェイム2023」は3月31日(日本時間4月1日)、ロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで行われる予定。そこに現れるのはムタなのか、武藤敬司なのか。

 この点について武藤は「なにせ、魔界の門は閉まっちゃってるからさ。どうなることやら…。それはわからない」とけむに巻く。その上で「別に試合で上がるわけじゃないからさ。知っているレスラーはほとんどいねえからな。同じジェネレーション(世代)はトリプルHと(リック)フレアーくらいか。だから現地にどれくらい知ってるやつがいるか、そういう意味も込めて楽しみにしてますよ」と語った。

 引退後も何かと話題を振りまくプロレスリングマスターは、式典でどんな姿を見せるか。