育成出身左腕がチームを好発進に導いた。ソフトバンクが31日のロッテ戦(ペイペイ)に4―0で快勝。開幕投手・大関友久(25)が7回を2安打無失点で勝ち投手となった。直球の最速は152キロで6回一死まではパーフェクト。藤本監督も「よくやってくれました」とニッコリだった。
物腰が柔らかく穏やかな表情の左腕だが、強い芯を持った〝信念の男〟でもある。昨季はプロ初勝利を挙げると、球宴出場を果たすなどブレーク。しかし、腫瘍が見つかり8月に左精巣がんの摘出手術を受けた。シーズン中の復帰は不可能と思われた中、心を折ることなく入院期間中に自宅でできるトレーニングや複数の復帰プランを考案。不屈の闘志で終盤戦に一軍マウンドに戻ってきた。
プロ入り前も強い意志で目標への意志を曲げなかった。土浦湖北高時代の恩師でもある小川幸男氏(現・東洋大牛久野球部長)は「マジメすぎて心配になるほどでした。それに一貫してプロという強い気持ちを持った子でしたね」と温かい声で振り返る。潜在能力を評価されながらも現実的にドラフト指名は厳しい状況だったが「入団テストを受けるとまで言ってきましてね」。
恩師としては東都でプレーさせてみたい思いもあったというが、本人の意志が強かったためプロ志望届を提出して〝プロ待ち〟をすることに。指名漏れで進学した仙台大でも、周囲に何を言われてもブレることなく「プロ一本」を貫き、育成ドラフトでの指名を勝ち取った。
昨季は離脱がありながらも7勝。今季は「自分で目指したいと思った数字」と18勝を掲げて目標にしている。飛躍の例でいえばチームのエースの代名詞である斉藤和巳投手コーチが、同じ25歳の時に通算9勝ながら開幕投手を任されシーズン20勝を挙げている。
「同じようになりたいですね。投げている姿だったりは、僕自身アマチュアの時から刺激をいただいていた。タイプ、性格も違うけど、僕なりの姿を見せられるようになりたい」。こうも口にした左腕が絶対的存在だった千賀滉大投手(メッツ)が抜けたチームのエースを目指していく。












