教えてほしいなら…。〝プロレスリングマスター〟こと武藤敬司(60)が、ノアの清宮海斗(26)の「付け人志願」に返答した。世界最大プロレス団体「WWE」(米国)の2023年名誉殿堂「ホール・オブ・フェイム」入りし、セレモニー出席のため渡米するが、失意のどん底にいる〝方舟の未来〟から同行を志願されたばかり。これに対し、天才ならではの反応を見せた。

 化身のグレート・ムタでWWE殿堂入りした武藤は、31日(日本時間4月1日)にロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで行われる殿堂入りセレモニーに出席。さらに4月1、2日(日本時間2、3日)の祭典「レッスルマニア39」(カリフォルニア州イングルウッド)でも、会場のSoFiスタジアムで殿堂者としてあいさつする予定だ。

 ここに清宮が同行する。2月に新日本プロレスのIWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカとの一騎打ちで惨敗。今月19日には、元3冠ヘビー級王者ジェイク・リーにも敗れ、GHCヘビー級王座を失った。絶望の淵に立たされるが、サイバーファイト・武田有弘取締役の「付け人として一緒に行動して帝王学を学んできてほしい」との意向で緊急渡米が実現。本人も「付け人も、かばん持ちも何でもします!」と熱い言葉を口にする。

長州力(左)とにらめっこで対戦した武藤敬司
長州力(左)とにらめっこで対戦した武藤敬司

 これに武藤は「かばん持ちも付け人も間に合ってるよ。でもまあ、来るのは本人の自由だから来ればいい」と苦笑い。24日には長州力とともに、「ザ・ロック」ことドウェイン・ジョンソンの主演映画「ブラックアダム」の、デジタル配信/ブルーレイ&DVDリリース記念イベントに登場した。これを引き合いに「何事も経験することが大事だからね。まずは『ブラックアダム』を見て、糧にしてくれ。それでロスに行ったらディズニーランドもユニバーサルスタジオもある。そういうところに行くのもいいと思う。俺は俺で忙しいんだよ」と他ジャンルのエンターテインメントと接することを勧める。

 さらに「この映画もそうだし、WBCの日本代表もそうだったけど、最終的に勝利をもたらすのはチームワークなんだよ」と指摘。殻を破るきっかけとして「一人でもがくのもいいけど、そろそろ多くの喜びや苦しみを分かち合う仲間をつくっていっても、いいんじゃないか?」と、リング上で信頼のおけるパートナーを見つけることやユニット結成も手段の一つだとした。

 続けて「ただユニットをつくるって言っても、人望がなきゃダメだし。じゃあ人望は、どうしたらできるのかっていうのは、勉強だな」。詳細は直接伝える意向で「食事したら講釈を垂れますよ。その代わり、ごちそうしてもらわなきゃな。授業料だろ。サンタモニカにはおしゃれな店がいっぱいあるから、ぜひ、そういう店に招待してくれ」と不敵に話した。

 一筋縄ではいかない清宮の渡米になりそうだが、貴重な経験を積めるのは間違いなさそうだ。