【ズームアップ甲子園】 第95回記念選抜高校野球大会の第5日第3試合(22日)、21世紀枠で初出場となった城東(徳島)のマネジャー・永野悠菜さん(3年)が女子部員として初めて試合前練習のノッカーを務めた。

 東海大菅生(東京)との対戦には2―5で敗れたが、永野さんは「選手12人と同じグラウンドで戦うことができてすごくうれしかったです」と笑顔を見せた。

 部員が13人と少数なことから選手の練習のために未経験からノックを打つことを始めた。手がマメだらけになっても頑張る姿を見守っていた新治監督は「彼女自身が自分に何ができるか考えて、一歩踏み出してくれた。うまくいかない時もあったがあきらめず続けた結果がこの場所。ノックを打ったあとに彼女の口から『幸せな時間でした』と聞けて胸が熱くなった」と感慨深げに話した。

 そんな努力家で献身的な永野さんは野球部のOBによると「お母さんのようで、いないと困る存在」。さらに「自主制の朝練で、行く人はほとんどいなかった。けど彼女が行きだしてみんな行くようになった」と選手らの意識も変えてしまった。

 また、運動は苦手だと語っている永野さんにクラスメートは「そんなことない。走るのとかは平均よりも速いくらい」と明かす。「頭もいい。週に何回か、部活が終わってから塾に通っている。相当大変だと思うが、人には見せない」とまるでスーパーウーマンなその姿に、友人らは尊敬のまなざしを向けている。

 並々ならぬ努力で甲子園史上初の女子部員としてノッカーを務めた。永野さんは「みんな輝いていた」と部員をたたえたがそれは永野さんも同じだ。聖地でノッカー役を務める姿にあこがれを抱いた女子マネジャーも少なくないだろう。