大一番の行方は――。フィギュアスケートの世界選手権は、22日にさいたまスーパーアリーナで開幕。4年ぶりとなる自国開催の一戦を前に、2012年大会銅メダルで五輪2大会出場の鈴木明子氏(37)が、日本勢の有力選手を徹底分析した。07年大会の安藤美姫、浅田真央以来のワンツーフィニッシュの可能性を秘める女子は、坂本花織(22)、三原舞依(23=ともにシスメックス)の〝変化〟に着目した。

 前回大会覇者の坂本は、虎視眈々と頂点を見据えている。同会場で行われた19年大会はショートプログラム(SP)で2位に入りながらも、フリーの失速が響いて5位。今季はリベンジへの思いを胸に戦ってきた。鈴木氏は「この4年間でどれだけ自分が成長したか、坂本選手自身が一番わかっていると思う。自信を持って臨んでほしい」と期待を寄せた。

 昨季の坂本は、北京五輪で銅メダル、世界選手権では金メダルに輝いた。大きな飛躍を遂げた1年となった一方で、今も進化を続けている。鈴木氏は〝表現の幅〟に磨きがかかったと指摘。「昨季までと比べると、今季は表現が立体的になった」と切り出した上で「体の使い方のバリエーションが広がった。引き出しが多くなったので、柔らかさや強さの部分がより引き立っている。それが演技構成点の部分でも評価されている」と絶賛した。

 昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルで初優勝を果たした三原も、頂点取りのチャンスは十分にある。鈴木氏は「今季の三原選手は状態が良い試合が多かった。滑りそのものに力強さが増して、演技自体にもメリハリができた。迫力もあるからこそ、演技の幅が広がってきた」と高評価を下した。

 三原にとって世界選手権は17年大会以来だが、プレッシャーの不安もなし。「三原選手は応援してくれるお客さんがいればいるほど、力に変えられる選手。アイスショーでは生き生きと滑っていて、魅せるという点ですごく楽しんでいる印象がある。たくさんのお客さんが見に来てくれる中で滑るのは、すごく三原選手自身の気持ち的にもプラスに働くと思う」と太鼓判を押した。

 男子は連覇がかかる宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が大本命。今季も〝自身の成長〟に焦点を当て、努力を重ねてきた。鈴木氏は「五輪シーズンを終えてからも、上を目指して走り続けている。結果として、連覇を達成できるかよりは、今季やってきたことが大舞台で出せるのかを本人も楽しみにしていると思う」と充実ぶりを実感している。

 ロシア勢が不在とはいえ、日本フィギュア界の力を世界に示す絶好の機会。どんな演技で会場を沸かせてくれるのだろうか。