熱戦が繰り広げられている第5回WBCで、侍ジャパンは12日のオーストラリア戦(東京ドーム)に7―1で完勝。第1ラウンド4戦全勝で16日の準々決勝(東京ドーム)に駒を進めた。相手は大混戦の台湾プールを、2位で通過したイタリアとなったが「負けたら終わり」の一発勝負で、どう戦えばいいのか。不振で苦しむ村上宗隆内野手(23=ヤクルト)の起用法も含め、本紙評論家の伊勢孝夫氏が示した戦い方とは――。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】まずは順当といったところか。1次ラウンドではよく点も入ったが、日本の投手陣の状態の良さが印象的だった。
準々決勝の先発はおそらく大谷(エンゼルス)。球数制限は1次ラウンドの65球から80球に増えるし、6回ぐらいまではいけるのでは。そこから継投となっても、日本の若いリリーフ投手たちからは、そう点は取られない。特に宇田川(オリックス)が素晴らしいし、すごかった。あのピッチングならメジャーでも通用するのでは。湯浅(阪神)、伊藤(日本ハム)、大勢(巨人)もいいボールを投げていた。イタリアはほとんど米国球界でプレー経験がある選手ばかり。メジャーリーガーも日本より多いようだが、日本の投手は簡単には打てないだろう。
となると日本にとって嫌な展開は、ロースコアで終盤までもつれ込み、タイブレークという流れかもしれない。ならば、早い段階で勝負を仕掛けることも必要になってくる。例えば0―0の5回に先頭打者が出塁したとする。ここで切り札の周東(ソフトバンク)を投入する作戦も、大いにありなのではないか。とにかく先制のチャンスは何が何でもものにしないと、勝てる相手にも「まさか」の展開が出てきてしまう。中国戦のように残塁の山を築いていたら…。何が起きてもおかしくない。
では、0―1の試合終盤、チャンスで村上(ヤクルト)を迎えた場合で左投手が出てきたとする。私としてはこの場面で牧(DeNA)を代打に送ってもいいと思うのだが、栗山監督にそこまでの決断はできないだろう。だったら、早めに勝負をかけ、5回に村上が出塁したら、代走を送るということも考えておいたほうがいい。そうした早めの交代のほうが、村上へのダメージも少ないのではないか。
それだけ今の村上の状態は深刻で、この期に及んで個人のプライドに配慮することはない。特定の選手と〝心中〟することは、結果が出れば美談になるが、そう何度もうまくはいかない。そこは栗山監督も非情にならなければいけない。
膠着した試合展開を動かすのはベンチの仕事だ。代表には牧だけではなく、岡本和(巨人)や山川(西武)もいる。タイブレーク制で延長を心配することもないわけだから、代打、代走を早めに決断したほうがいい。
泣いても笑っても残すはあと3試合。楽な展開になるのに越したことはないが、しびれる展開での栗山監督のベンチワークにも注目している。(本紙評論家)











