昨年10月1日に亡くなったプロレス界のスーパースター、アントニオ猪木さん(享年79)の「お別れ会」が7日、東京・両国国技館で行われ、出席した猪木さんの長女、寛子さん(48)がファンにメッセージを送った。

 米国在住の寛子さんは10月13、14日の葬儀に出席したが、猪木さんの死後に取材に応じるのは初めて。「実を言うと、まだ消化していない。向こう(米国)に帰ってすぐにいっぱい仕事を入れて、考えないようにしていて。こういうの(葬儀やお別れ会)がすべて落ち着いてから、感じると思います。今日は藤波(辰爾)さんのスピーチが心に感じました」と現在の胸中を打ち明けた。

 どんな父親だったのか。「家庭を犠牲にしてアントニオ猪木を演じていました。家にいなかったので、小さいときは悲しいなと。でも、犠牲にしてもいいんです。これくらいの(ファンの)人たちを喜ばせたから。それが彼の生きがいだったから。素晴らしいお父さんでした」と振り返る。

 猪木さんの遺骨は現在、寛子さんの自宅のリビングにあり、そばで愛犬も見守っているという。「遺骨はアメリカにいて、すごい家庭的な感じで、子供たちと静かに過ごしています。生きていた時に(猪木さんと一緒に)過ごせなかった時間を今、過ごさせてもらっていますよ」とほほ笑んだ。

 寛子さんの母親で女優の倍賞美津子は「素晴らしい人だった」と語っていたと言い、亡くなる直前まで連絡を取り合っていたという。

 その上で、寛子さんはファンへのメッセージを問われると「パパはすっごい、海が好きだったんです。海を見たらパパのことを思い出したり、何か嫌なことがあったら海を見てパパのことを思い出したりして、みなさんの力にしてほしいですね」と静かに語った。
 
 猪木さんの遺志はまな娘にも受け継がれている。