女子ゴルフの渋野日向子(24=サントリー)が、〝脱・石川遼〟で新たな進化を目指している。今季初戦の米ツアー「ホンダLPGA」初日(23日、タイ・サイアムCC=パー72)は4バーディー、2ボギーの70で回り、首位と5打差の2アンダーで38位発進。昨季とは違うニュースタイルをお披露目した。まだ発展途上の段階とはいえ、周囲の評価も上々だ。

 渋野の米ツアー2年目が始まった。4番パー3でボギーの後、8番パー3で5メートルを沈めて流れを引き寄せる。「(7番まで)5メートル以内を外したり、距離感が合わずパターがうまくいってなかったけど、入ってくれていい状態で後半に臨めた」

 後半に入ると2打目でグリーンを外した13番をボギーにするが、最終18番パー5など3バーディーを奪いアンダーパーで初日を終えた。渋野は「気合と根性でやった感じ。ショットは思ったより全体的によかったので、チャンスにつくことが多かった。めちゃくちゃな外し方が少なくて、そのぶんのスコアかな」と振り返った。

 この日のラウンドでは、新たなスイングを披露。昨オフから、かつて師事した青木翔コーチの指導を受け〝ニューシブコ〟へのモデルチェンジに着手している。2021年初めごろから石川遼(31)のアドバイスを参考にコンパクトなトップで方向性を重視する形にしていたが、この日は以前よりややトップが深く入っていた。

 以前のスイング改造では、周囲の反対意見を押し切ってでも一人でやり切る〝貫徹力〟を示した。導入当初こそ成績不振に陥ったものの、21年秋の国内ツアー2勝や、米ツアー本格参戦1年目の昨季は19年大会を制したメジャー「AIG全英女子オープン」で優勝争いの末、3位となるなど一定の成果を収めた。それでも今回は、米ツアーメンバーとしての初勝利、そして海外メジャー2勝目へ、あえて新たな決断を下した格好。進化のためなら変化をいとわないことも、渋野の強みだ。

 その成果は、この日のプレーにも表れていたようだ。プロゴルファーの田中泰二郎は試合を中継したWOWOWの解説で「(以前のスイングは)我慢することが増えて大変そうに見えていた」「(昨季は)コンパクトトップからアッパーに抜けるスイングだったが、短期間で脱却したのはちょっと驚き。よくパー3でこんなに左に曲げちゃうのというショットもあったが、このスイングだと防げる」などとニュースイングを支持した。

 本人は新たなスイングについて「最後の方は疲れて曲げてしまった。その中でいいスイングができなかった。ぼちぼちかな」。まだ完成の域ではないということは、伸びしろ十分ともいえる。今後の戦いから目が離せない。