侍ジャパンの栗山英樹監督(61)にも頼もしく見えたことだろう。WBC日本代表のロッテ・佐々木朗希投手(21)が15日のヤクルトとの練習試合(沖縄・糸満)で今年初の対外試合に臨み、村上宗隆内野手(23)を160キロで直球空振り三振に仕留めるなど2回を1安打無失点、5奪三振にまとめた。現地で観戦した野球評論家の柏原純一氏は「令和の怪物」の快投に〝今オフにもメジャーか〟と目を丸くするばかり。

【柏原純一「烈眼」】今年初の対外試合登板だというのに、既に佐々木朗の状態は想像を超えていた。ハイライトは2回に先頭の村上を160キロで仕留めた場面だろうが、それ以前に立ち上がりから3者連続で空振り三振。それも全て4球以内で片づけた。いずれも「ピッチャーカウント」と言われる3球目までに追い込む理想形。2回を28球でまとめ、1安打無失点、5奪三振と万全の仕上がりだった。

〝今オフにもメジャーに行くのでは…〟。そんな迫力さえ感じさせた投球はWBC球への完璧な適応も要因に挙げられる。この日は同じWBC日本代表のヤクルト・高橋が2回4失点と苦戦していた。NPB球に比べて滑りやすく、縫い目が低いとされるWBC球に手こずる投手も少なくない中で、佐々木朗はしっかりなじんでいた。侍ジャパンで投手コーチを務めるロッテ・吉井監督の存在も大きいだろうが、本人に将来的なメジャー挑戦への意識がはっきりしていることも感じられた。

 三振に要した投球数からも見てとれる。7球を費やした2回の奥村を除き、奪った三振は全て4球以内。本格派投手にありがちな制球の不安定さもない。佐々木朗自身が「いかに少ない球数でアウトを重ねるか」を念頭に置いている証拠だ。

〝遊び球〟を使わないスタイルからは球数制限があるWBCのみならず、将来的なビジョンに向かって日々の練習を重ねていることも分かる。昨年4月に史上最年少で完全試合を達成した佐々木朗なら、仮に制球が今ひとつでもクオリティースタート(先発で6回以上を自責3点以内)に準ずるパフォーマンスを見せていれば、そう簡単に球数を理由に降板させられることもない。

 実際にメジャーで投げるとなれば、中4日が基本の先発ローテーションにどう順応するかなど克服すべき課題はあるだろうが、既に「長い回を投げ、勝ちを量産できる投手」を目指し、日々の積み重ねをおろそかにしていないことは分かった。末恐ろしい21歳というほかない。

(野球評論家)