「第2の人生」でも大活躍の予感だ。パラリンピックで通算4個の金メダルを獲得した車いすテニスの国枝慎吾氏(38)が7日、都内で引退会見を行い「最高のテニス人生を送ることができた」と晴れやかな表情を浮かべた。

 4大大会全制覇とパラリンピック金メダルを合わせた生涯ゴールデンスラムを達成。政府側も国民栄誉賞の授与を検討するなど、レジェンドの名にふさわしい活躍を見せてきた。今後について国枝氏は「自分の中では、ぼんやりと出てきたくらい。それを今言ったらやらないといけなくなるので、心の中に秘めておきたい」と語るにとどめたが、同席したユニクロの柳井正代表取締役会長兼社長(74)は「一緒に世界の中の日本をよりよく変えていこう。超一流の選手はだいたい頭がいいが、国枝選手はずばぬけていい。経営の才能があると思うので、僕を使ってほしい」と早速ラブコールを送った。

 実際、国枝氏は現役時代から〝マネジメント力〟の高さを随所でのぞかせていた。東京パラリンピック車いすテニス男子代表の三木拓也(33=トヨタ自動車)は、かつて本紙に「年齢を重ねても、プレースタイルをどんどん変えて、その時代や各局面に必要な技術、戦術、戦い方を模索して、しかもそれを形にしている」と証言。さらに国枝氏を知る関係者によると、コロナ禍による活動自粛期間中に英語の勉強に励むなど、与えられた環境下でできることを考え、実行に移してきた。

 ビジネスの世界で必要な要素をすでに兼ね備えている国枝氏。新たなステージでも、その才能を十二分に発揮するに違いない。