【今村猛 鉄仮面の内側(29)】 30歳という若さで引退したからには、いろんなことに挑戦したい。そういう気持ちをこのコラムでも表現させていただきました。その中の一つとしてユーチューブチャンネルの開設というトピックがあります。

 すでに、往年の名プレーヤーと言われるような方々から、最近になって引退された元メジャーリーガーの方々など、多くの方々がユーチューブチャンネルを始められています。それぞれに多くのファンの方々がいらっしゃるかと思います。

 僕にとってもこれまでカープ・今村を支えていただいたファンの方々が存在しました。本当に感謝しています。ただ、これまではユニホーム姿の僕くらいしか見ることがなかったと思うんですね。

 引退した後、僕自身をどう伝えることができるだろう。昔のようにメディアの力を借りて発信しなくとも、現代はインターネットの力でできるわけですから、現状の活動報告を含めプライベートなシーンを発信していきたいなと思って始めました。

 せっかく野球選手だったわけですから、投球技術向上につながるような動画なども増やしていきたいですね。チャンネル開設直後はコロナ禍で、野球教室などの開催が難しい状況でしたし、動画を見て学べるような内容も収録したりしていました。

 もろもろの事情も鑑みてオンライン上で、投球技術向上や身体能力維持などのアドバイスを届けていけたらいいなと思い、周囲からの助言を受けながらコツコツと撮影を行ってきました。

 まだまだこれから変化、発展していくものなので、どういう形になっていくかは未知の領域です。例えば、投球シーンの動画を野球少年に送ってもらい「こんな投手になりたいんです」と要望を受けたら、僕なりの投球解析や助言を伝えたり。個人的なレッスンへとつなげていくプランもありかと思います。

 やはり、野球を通じて多くの方々とつながったわけですし、球界の発展のために自分ができることがあれば、求められる限りは力になりたいと考えています。

 僕はもともと人見知りですし、言葉で物事を表現することが得意ではありません。ただ、自ら発信するということは新しく挑戦したかったことの一つでした。慣れないユーチューブで悪戦苦闘する姿も含めて、ファンの皆さんには楽しんでいただければありがたいです。

 本当の初期から今までの流れの中で、投稿の内容もいろいろと変わってきています。スライダーの投げ方、握りを公開してみたり。その場面には現役時代に用具提供していただいていた「ゼット」さんの担当の方も登場していたり、手作り感満載の映像をお届けしています。

「ゼット」さんに関しては、僕が逆にオフィシャルチャンネルに出演させていただいたこともあります。現役時代の道具のこだわりであるとか、デザインの変遷、グラブのサイズに関しての変化の歴史などなど、語らせてもらっています。お世話になったメーカーさんの広報活動に少しでもお役に立てていたならいいのですが。

 テレビ局さんとのコラボなど、いろんな形でユーチューブに関わらせていただいています。これも自分がチャンネル開設したからだと思います。チャレンジした成果だと信じています。