デーブさんが転んだ! 巨人の宮崎春季キャンプは5日で第1クールを終了した。3年ぶりのV奪回へ午前7時からアーリーワークが行わているが、この日の練習前に早朝練習の発案者である大久保博元打撃チーフコーチ(56)に、まさかのアクシデントが発生。球場入りの際に階段でド派手に転倒したのだ。その「ズッコケ動画」の存在は爆発的にチーム内にも広まり、疲労困ぱいだったナインに一服の清涼剤を与えている。

 衝撃の光景だった。午前6時40分過ぎ、野手陣がマイクロバスを降りて球場入りしていると、別ルートで到着した大久保コーチが、まさかのアクシデントに見舞われた。数段しかない階段に踏みだした瞬間だった。直後にバランスを崩し「危な…、危なっ!」と階段を上り切った部分についた右脚で踏ん張ろうとしたが、前傾姿勢となった104キロの巨体はそう簡単には止まらなかった。

 前のめりとなったまま、まるで土俵から砂かぶり席へ転げ落ちた力士のように盛大に転倒…。そのはずみで大久保コーチとぶつかったカメラマンから「大丈夫ですか?」と心配されるのをヨソに、他の選手たちは何事もなかったかのように通り過ぎ、練習に向かっていった姿もまた実にシュールだった。

 いったい、どうしたのか。ここまで派手なズッコケぶりは、アニメの世界ぐらいでしかお目にかかれない。大久保コーチは「脚(に各1キロの)重しつけているから」とすぐに立ち上がって練習に向かったが、ここから事態は急展開した。

 スマートフォンでこの一連の様子を動画で撮影していたのは偶然にも記者だけで、大久保コーチに見せると「あーっはっは!」と爆笑しながら「証拠あった! それ送って。これはインスタ用かな」。ご要望にお応えし、その場で動画を送信すると〝ズッコケ事件〟はさらなる広がりをみせる。

 まずは原辰徳監督(64)だ。練習後まで本人からコケた報告がなかったことを確認した上で、指揮官に動画を見せてみると…。原監督はアゴが外れんばかりの大きな口を開けて「あ~っはっはっはっは!」と大爆笑だ。すっかりツボにハマッた様子で「これは面白い! 疲れてるなあ。さすがに俺には言わなかったな。俺なら大の字に寝るね。(見出しは)『デーブ、命がけ』かな!? 動画に残っているってすごいね。俺のところに送ってくれる? ジャイアンツがやっているアレ(SNS)に出してあげて。(選手宿舎の食事会場の)テレビに出さないかなあ」と腹を抱えながら終始大笑い。こちらも指揮官のご要望に応じて、動画は球団に提供することとなった。

 もっとも、身をていして笑いを取った(?)大久保コーチも実際に転んだものの、タダでは転ばなかった。自らが〝インフルエンサー〟となり、厳しい練習の合間に選手たちにスマホで動画を見せていたという。練習が終わるころには誰もが知るところとなり、ナインからは「デーブさんに直接見せてもらいました。めっちゃ笑いました」「最高すぎる。疲れが飛びました」と渾身の〝自虐ネタ〟は大好評だった。

 当の大久保コーチは「あそこまでいったら(コンクリートで顔を)こすりたかった。しかもあの時、ふくらはぎがつった。恥ずかしい(笑い)。巨人の球史に名を残しましたね…」と頭をかいた。しかし、体を張った〝ズッコケ芸〟のおかげで、ナインは7日からの第2クールも猛練習に耐えることができそうだ。