格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行CEO(59)が、〝ゴールデンスター〟飯伏幸太(40)に熱烈ラブコールを送った。1月31日付で新日本プロレスを退団し、今後に注目が集まる飯伏に対してRIZIN参戦を猛烈に呼びかけると、何と参加が決定したボクシング元6階級制覇王者マニー・パッキャオ(44=フィリピン)の対戦相手候補にもリストアップ。さらにRIZIN関係者からは飯伏招聘をきっかけに、プロレスへの進出プランを期待する声まで上がった。

 飯伏は2021年10月の「G1クライマックス優勝決定戦」(日本武道館)でのオカダ・カズチカ戦で肩を負傷。長期欠場に突入し、リング復帰がかなわないまま1月31日付で新日本を退団したことが発表された。

 今後については〝青い目のケンシロウ〟こと、ジョシュ・バーネットの名前を冠した「ブラッドスポーツ」(3月30日、米GCW)への参戦が決定済み。バーネットからツイッターで〝スピードボール〟マイク・ベイリー(32)と対戦することが発表され、飯伏は「たくさんのオファーありがとうございます! ジョシュバーネットとの約束」とツイートを返した。

 フリーになり、活発な動きを見せそうな飯伏に熱い視線を送ったのが榊原CEOだ。1日に行われた「RIZIN.41」(4月1日、丸善インテックアリーナ大阪)のカード発表会見後、個別取材に「ぜひ来てくれ!っていうことですよ。飯伏幸太くらいしか、今の日本のプロレス界で興味のある選手はいない。ですから、ぜひ(RIZINで)やってくれないか」とド直球のラブコールを送った。

 実は、榊原CEOは旗揚げ直後から飯伏に関心を持っていた。初期にはフリーだった飯伏がRIZINの会場に姿を見せていたこともあり「新日本に行く前には、見にも来てくれているしね。全く興味がないわけでもないはずなので。同じリングスポーツとして、ぜひチャレンジしてほしいと思います」と力説する。

 もしも参戦が実現すれば、世界的ビッグスターの対角に立つ可能性まであるという。昨年大みそかに、RIZIN参戦を発表したパッキャオだ。榊原CEOは「もしそうなれば最高ですよ。まさに異次元マッチにでしょう。小さくまとまりたくないんですよ、パッキャオも。そういう意味でいいですよね」。確かにパッキャオVS飯伏が実現すれば、いったいどんな試合になるのか無限大に想像が膨らむ。「RIZINとしては大ラブコールですよ。ルールもフレキシブルに対応します。アプローチしようと思います」と宣言した。

 さらに、RIZIN関係者からは「参戦してくれるなら、プロレスの試合をするのもいいのではないか」との声も上がる。その理由として「昔と違って、今はプロレスと格闘技のすみ分けがハッキリしている。おそらく、うちのファンでプロレスを見ている人は少ないでしょう。でも飯伏選手なら、シリアスな格闘技の試合と並んで試合をしても『プロレスってすげえ!!』と格闘技ファンに思わせることができるはず。プロレスと格闘技の橋渡し役になれると思います」と説明した。

 RIZINの〝前身〟とも言える「PRIDE」を運営したドリームステージエンターテインメントが、プロレスイベント「ハッスル」を開催していたこともあり、旗揚げ当初から一部関係者の間でプロレス開催は悲願だった。それだけに「飯伏選手参戦をきっかけにプロレス部門立ち上げにつながるかもしれない…」との期待もかかる。

 ひょっとするとひょっとするのか。多くのサプライズを起こしてきた榊原CEOの交渉に期待したい。