新春の王道マットが大荒れだ。全日本プロレスのアジアタッグ選手権(3日、後楽園ホール)は挑戦者のNOSAWA論外、ケンドー・カシン組が大森隆男&井上雅央を破り、まんまとベルトを奪取した。

 2月21日の東京ドーム大会での引退試合を控える論外が「最後に記念を残したい」という理由で挑戦に至った一戦。論外とカシンはノラリ、クラリと王者組を翻弄した。論外が大森のアックスボンバーを井上に誤爆させると、残る大森を急所蹴りからの首固めで丸め込んだ。

 試合後の2人は面倒なことを言い出した。

 論外は「俺より大森隆男は引退した方がいい」

 カシン「何であんなにトレーニングをしている写真を(SNSに)アップしているのに、あんなに動きが悪い?」

 論外は「全日本は大丈夫か? 何で諏訪魔がまた専務に戻ってきてる。どうですか先輩、諏訪魔が専務で全日本は復活しますか?」

 カシン「それはノアも一緒だ!」

 論外「あと昨日、全日本の福田(剛紀)社長が『全日本に電流爆破はいらない。体の大きい人が戦うのが全日本プロレスだ』とおっしゃっていたんですけど、じゃあ、何でジェイク(リー)を放出したのか?」

 カシン「お金がないからじゃないですか。それはノアも一緒だ」

 論外「ベルトを取ってしまったので、条件突きつけていいですか? 次の防衛戦は2メートル、150キロ以上の2人を用意するか、それが無理なら電流爆破で大仁田厚としかやらない」

 カシン「だったらノアでやったらいいじゃないか。全日本がやらないと言ってるんだろ?」

 論外「いや、全日本のベルトなので…。大仁田厚に伝えてください。電流爆破ならアジアタッグの防衛戦をやると。『電流爆破なんていらない』という社長の言葉には電流爆破をやってきた人間としてカチンときた。プロレスビジネス分かんねえヤツが社長やってると、ロクなことにならない。条件が飲めなければ、ベルトを持ったまま引退するから。責任は取らない」

 とにかく大仁田との電流爆破戦でしか防衛戦をしないという。日本最古のベルトが、何とも厄介な2人に渡ってしまったことだけは確かだ。