今オフ、大型補強が大きな話題を呼んだソフトバンク。FA市場で日本ハムから近藤、DeNAから嶺井、新外国人としてロッテからオスナを獲得するなど3年ぶりのV奪回へ積極的な投資を惜しまなかった。ただ、未来に向けた先行投資もこれまで以上に投入していく。
来季から球界初の「四軍制」が始動。三笠杉彦GMは「選手育成システムのさらなる拡大が目的。コーディネーター部門、データサイエンス部門、ハイパフォーマンス部門の3点を重視してチームを強化していきたい」と最先端のアプローチも含めて、一歩先をいくプロジェクトに腕をぶす。選手数は支配下、育成合わせて122人を予定。試合数は三軍と合わせて229試合を見込む。本格稼働に向けて、選手寮やロッカーの拡張を随時整え、2024年以降はバイオメカニクスやトラッキングシステムを導入した最先端のトレーニング環境を構築する計画だ。
ソフトバンクはすでに育成入団から12人の支配下登録選手を輩出。千賀、甲斐、牧原大、石川、周東らはのちに主力に成長した。球団首脳の一人はこう語る。「三軍の年間運営費は概算で4億円程度。しっかりと資金を投入し続けてきた結果が、12球団で最も多い支配下登録数につながっている。四軍制を導入するにあたり、選手数もそれを支えるスタッフ数も、さらには遠征費なども増える。出し惜しみせず、投資を増やすことで育成部門をさらに充実、発展させていきたい」。三軍以下のチームを回すための運営費だけで、今後も毎年4億円以上が見込まれる。もちろん、ここには施設建築費などは一切含まれていない。持続的な強化のために「出すべきところには金を出す」という姿勢は徹底されている。
かつて三笠GMは、先があると言わんばかりに「我々はまだ(すべてで八軍制となる)MLBに匹敵するようなファーム組織を持っていない」と語ったこともある。大型補強ほど世間の耳目を集めるものではないかもしれないが、再び育成組織の拡大に踏み出した鷹の一歩は見逃せない。












