複数のメジャー球団が注目していた逸材だった。ソフトバンクが24日に育成契約での獲得を正式発表したドミニカ共和国出身のホセ・オスーナ外野手。右投げ右打ちで、身長185センチ、体重82キロと恵まれた体格の持ち主で、球団によれば「長打力とコンタクト能力を併せ持った長距離打者。15歳ながら、150キロ後半の速球にも打ち負けないバットスピードがあり、スイングもコンパクトで柔らかさがある。将来のクリーンナップを打てるポテンシャルを秘めた選手」という原石だ。
特筆すべきは世界的有望株を15歳で獲得したことだろう。来年3月に16歳の誕生日を迎えるオスーナには実際メジャー球団も早くから熱視線を注いでいた。MLBにおける外国人選手の最低契約年齢は16歳。あと3か月待てば、米国行きの選択肢も当然あった。市場規模から言えば夢があるのは断然MLBの方だ。メジャー関係者も慌てふためいたというオスーナのNPB入り。ソフトバンクが先手を打って交渉をまとめた背景には、世界標準を目指す球団らしい現地での〝布教活動〟があった。
早ければ10歳でメジャー側から何かしらのコンタクトを受けるというドミニカの原石たち。それだけMLBの存在が身近にある証拠でもある。そんな環境下で風穴を開けつつあるのが、ソフトバンクだという。来季から球界初の「四軍制」を始動。育成外国人の獲得にも力を入れる球団は、近年ドミニカの地域アカデミーとの交流を深めている。昨秋も有望なドミニカン3人を獲得。そのうちの一人、マルコ・シモン外野手(18)が今回のキーマンだった。球団フロントによれば「オスーナが日本を選んでくれたのは、同じアカデミーだった先輩のシモンの存在が大きかった。彼がホークスの育成システムや入団後のビジョン、日本での快適な生活などを後輩たちとの会話の中で丁寧に伝えてくれていた。本人と家族が、安心して入団を決断できた理由の一つだと思う」。
かつて、キューバ出身の超有望株だった現在ホワイトソックスで主軸を張るルイス・ロベルト外野手(25)を2年近く追い続けて逃した苦い過去もあるソフトバンク。中南米選手との交渉に一日の長があったメジャー球団にこれまでは辛酸をなめさせられてきたが、ファーム組織の拡大に合わせて選手獲得においても世界標準で挑もうとしている。充実した育成システムで将来有望な外国人選手を獲得し、自前で育てる戦略を進めているソフトバンク。ルールの範囲内で15歳の大砲候補を獲得した反響は、日本国内よりも競争相手であるメジャーの方がむしろ大きいのかもしれない。












