フィギュアスケート女子の坂本花織(22=シスメックス)は、抜群の〝勝負強さ〟を兼ね備えている。
昨季は北京五輪で銅メダル、世界選手権で金メダルを獲得するなど、充実の1年を過ごした。しかし、今季は11月のグランプリ(GP)シリーズ第5戦NHK杯時に「自分の中で悪魔と天使が戦っている」と明かしていたように、モチベーションの維持に苦しんだ。8~10日に行われたGPファイナルではまさかの5位。ホテルで大粒の涙を流した。
全日本選手権(22~25日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)の直前にもかかわらず、どん底に突き落とされた。だが、坂本を知るフィギュア関係者たちは信じていた。「坂本選手ならきっちり全日本に合わせてくれるはず」。イタリアから帰国後の坂本は走り込みで心肺機能を強化。ノーミスの演技に必要な基礎を磨き直した。「まだまだ自分はやれるんだぞと証明する」との思いで、大阪の地に乗り込んだ。
周囲の期待、自身への期待にしっかり応えてみせた。22日のショートプログラムで首位に立つと、24日のフリーでは、冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を軽やかに着氷。その後も安定した演技で観客を魅了し、155・26点の高得点をマークした。合計点は国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、今季世界最高となる233・05点。2年連続3度目の日本一に輝き、世界選手権(来年3月、さいたまスーパーアリーナ)の代表入りを確実にした。
次なる目標は日本女子初の連覇だ。「どんどん追い込んで、いい演技をしたい。最高の状態で世界選手権を迎えたい」。世界女王として、主役の座を譲るつもりはない。












